日本エネルギー会議

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あまりにも早い澤昭裕氏の死を悼む

幅広いエネルギー政策の提言者として活動された澤昭裕氏が16日、亡くなった。58歳、あまりにも早い死であった。日本エネルギー会議の設立発起人としても参画。同会議のシンポジウムなどにもたびたび出席、福島事故以降、混迷を続ける日本のエネルギー政策について、現実的、建設的で信頼感の高い提言を続けてこられた。

澤氏は1957年、大阪府生まれ。一橋大卒後、1981年に旧通商産業省入省。経済産業省の産業技術環境局環境政策課長、資源エネルギー庁資源燃料部政策課長などエネルギー・環境政策を担当。2004年から東大先端科学技術センター教授を務め、2007年には経団連のシンクタンクである21世紀政策研究所研究主幹に就任。2011年からはNPO法人国際環境経済研究所所長も兼務していた。

世界のエネルギー・環境政策に取り組んできた経験を生かして、整合性あるエネルギー供給体制確立と先端技術開発の必要性や電力安定供給の重要性、さらには日本経済とエネルギーの関係などを多面的に分析。著書やメディア、シンポジウムなどで積極的な情報発信に取り組んでこられ、冷静で、先見性に富んだ政策提言は高い評価を得てきた。

著書に『精神論ぬきの電力入門』(新潮社)、『知らないではすまされない、エネルギーの話』(WAC)など多数。さらに、原子力政策に関するリポート作成にも精力的に取り組んだ。病気療養中にも関わらず、昨年12月にパリで行われた第21回国連気候変動枠組み条約締結国会議(COP21)閉幕後には、テレビにも出演し、地球温暖化問題を解決につなげるには「イノベーションの重要性」を強調していた。

我が国のエネルギー政策はいまなお混迷しているのが現実である。これからも大いに活動していただきたい、発信力ある貴重な政策提言者を失ったことは、日本の将来にとっても、世界のエネルギー・環境政策立案にとっても大きなマイナスといわざるを得ない。澤氏のご冥福を心から祈りたい。

日本エネルギー会議・シニアフェロー鶴岡光廣

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