日本エネルギー会議

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自給を促す政策

エネルギー資源のほとんどを海外に依存している日本では、省エネなど輸入資源の効率的な利用とともに、電気を消費する企業や各家庭が電気を自給することを推奨する政策が進められるべきだ。

近年、新築物件を中心に屋根にソーラーパネルを設置する家庭も増加しているが、現時点では余剰電力の高値での売電を期待してのことだ。電力会社から購入する電気は毎年値上がりする一方、売電価格は毎年下がっており、この傾向が続けば売電目的より自家消費用にソーラーパネルを付ける家庭も現れそうだ。事実、大手住宅メーカーはZEH(ゼロエネルギーハウス)の開発と販売に力をいれている。

福島第一原発の事故以降、自治体でもエネルギーや電気の自給自足を目指すところが増えている。2011年で電力自給率100パーセントを達成している自治体は全国に52あり、トップは地熱発電所がある大分県九重町の1136パーセント。上位は長野県内の自治体など水力発電所の多いところが目立つ。ちなみに東京都は0.3パーセントだ。(データは千葉大学倉阪研究室+NPO法人環境エネルギー政策研究所による)

東通原発のある青森県下北郡東通村は551パーセントで全国6位、同14位には再処理工場のある上北郡六ケ所村297パーセントが入っている。いずれも大規模なウインドファームを擁しているほか、メガソーラーにも取り組んでいる。特に六ヶ所村二又風力発電所は大容量の蓄電池を備えて出力の安定化を図るなど最新の取り組みをしている。参照

家庭、事務所、工場、そして自治体ぐるみの自給率アップは、さまざまな影響がある。火力発電所など大規模な電源への依存が減るとともに、需要ピークが抑えられることで、大規模電源の稼働率が上がる。LNGなどの輸入も減り国際収支が改善される。福島第一原発の事故前に聞いた話では、全国の電力会社の火力発電所の稼働率は50パーセント前後であり、これが1パーセント上がれば全国で年間1000億円単位の金が浮くそうだ。

自給率をアップしようとすれば、家庭や事業所で省エネ、節電にこれまで以上に熱心に取り組み需要を減らそうとする。電力会社も設備投資のために巨額の資金を集めなくてもよいので電力自由化の下で事業リスクを小さくすることが出来る。従来のFITに代わり、家庭や事務所や工場を対象に自給率を高めたところに国や自治体が奨励金を出すという政策を実施できないか。その奨励金の使途を省エネ投資などに限定すれば、さらに効果があると考える。  

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