日本エネルギー会議

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すぐに出来る災害対策

福島第一原発の事故でわかったことは、緊急時に電源の確保こそがキーポイントであること。自然災害などによって電源が根こそぎ失われてしまえば、何も出来なくなるということだ。かつての原子力安全・保安院の福島第一原発事故での対応記録によると、福島第一原発から5キロ離れたオフサイトセンターでは、3月11日の地震発生直後に停電したうえ、非常用のディーゼル発電機も故障して動かず、通信手段や重要な設備の多くが使えなくなっていた。

総合病院などは万一に備えて生命維持装置などの電源を確保するため、自家発やバッテリーを持っているが、設備費、維持管理費が大きな負担。それに災害時に必ず動くとは限らないことはオフサイトセンターで実証済だ。福島第一原発では所員の機転で駐車場にあった通勤車両のバッテリーをたくさん集めて直流電源を確保して計器が見られるようにした。病院などでも真似すればと思うが、残念なことに車のバッテリーは電源としては容量不足だ。

しかしここに朗報がある。電気自動車(EV)の開発が進んだことだ。EVはテスラSや日産リーフなど性能的にも価格的にも、もう手の届くところに来ている。補助金が出る日産リーフはすでに数十万台が販売されている。EVが普及すれば福島第一原発の事故のときのように必要最低限の電源は職員の通勤車両のバッテリーで間に合う。EVが積んでいるバッテリーの容量は日産リーフの場合24kWh。 普通の自動車のバッテリーと違い、一般家庭(1日当たり10kWh消費)が使えば、EVのバッテリーで二日半を賄うことが出来るくらいに大きい。本格的な電源車の到着や電力復旧までをカバー出来る。

病院などで非常事態に備えて、職員に非常時の協力を条件にEV購入の補助をすればよい。バッテリーをつなぐためのコードや端末などの器具や工具と病院の電源接続設備をあらかじめ準備しておき、職員に年に二、三回の訓練をしておくことが大切だ。これは小さな自治体、公共施設などでもすぐに出来ることではないか。東日本大震災のような災害は明日にでも襲ってくるかわからないが、大規模な土木工事などは予算も時間もかかる。すぐにでも出来ることがあるのなら早速着手するべき。それが福島第一原発の事故の教訓というものだ。ついこの間も熊本で大きな地震が発生し、大停電が起きている。

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