日本エネルギー会議

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芋発電

原発事故後、福島県では県や避難区域となった各自治体が復興計画の中に原発に代わる地元産業として再生可能エネルギーの開発を掲げている。県内ではもともと只見ダムなど大型の水力発電所があるが、それに加えて太陽光、風力、地熱、バイオマスと幅広い再生可能エネルギーが並行して計画されている。なかでも数量的には太陽光が伸びており、注目度として高いのが双葉郡の沖合に建設中の我が国初の浮体式大型風力発電所だ。

バイオマスは山間地の間伐材を運搬することがネックで、東南アジアからバイオマスの原料を輸入することも計画されている。双葉郡では食料用のコメや野菜を作っていた土地が大量に耕作されずに放置されようとしている。一度汚染した農地で作った作物は風評被害でなかなか売れず買い叩かれてしまうことに加え、農業者が高齢で後継がいないのだ。

この農地を活用して食料用ではなくバイオマスエネルギー用としての作物づくりを行う手がある。なかでも芋が最も有望だ。芋の主成分はデンプンであり、燃焼性がよく、燃焼時に有害物質をほとんど排出しないという特徴がある。芋は栽培に手間がかからず、生産効率も良い。既に三重県鈴鹿市や鹿児島県種子島では、近畿大学教授の指導で発電用の再生可能エネルギー源として、さつま芋の生産が進められている。

乾燥した芋をチップにして、ボイラーで燃焼して蒸気を得て発電する。乾燥芋チップは在来型の火力発電所でも燃料に混ぜて燃やすことが出来る。浜通りには何基もの石炭火力発電所があるので好都合だ。

芋を発酵させて得られるメタンガスを抽出してガス発電に利用することも可能で、チップ化よりもメタンガスのほうが発電の燃料として利用しやすく、芋の持つエネルギーをより多く引き出せるので、将来的にはこの方式が有望だ。

注目したいのは芋は直射日光でなく比較的弱い光でも育つので、既に福島県内にたくさんある太陽光パネルの下でも栽培が可能なことだ。日射量の大きい福島県浜通り地方では、太陽光と芋バイオマスとの完全国産のダブル再生可能エネルギー生産に挑戦してみるべきだ。

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