日本エネルギー会議

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動かしようがない電源構成

原発が再稼働に向かっている中、エネルギー基本計画にもとづいて電源構成が夏までに決定されることになっている。だが、電源構成は容易に変わらないもので、2015年~2020年頃までの電源構成は既に見通しがついていると言うべきだ。

今後が注目される原発は、初期に建設したものが廃炉となり、現存の原発の2分の1~3分の2程度を再稼働させることになる。その場合、稼働率がよほど改善されない限り、日本全体の年間総供給量に占める割合は20%前後になるはずだ。どんなに急いでもリプレースを今後5年以内に実現することは無理だ。

次に再生可能エネルギーは、既に認定された設備が7200万キロワットを超えており、原発72基分に達しているとされるが、驚くことはない。というのは、稼働率は太陽光が12%、風力が20~30%にすぎないのだから、実は認定キロワットの3割弱程度にしか発電しないからだ。しかし、今から3年程度でこの認定分の設備が全て完成して発電を始めると、我が国の水力を含む再生可能エネルギー設備が供給する電力は、年間2018億キロワットアワー(このうち、太陽光が840億キロワットアワー)となり、日本全体の年間総供給量の20%を超え、再稼働する原発とほぼ同量になることは認識しておかねばならない。さらに太陽光、風力、地熱は燃料費が掛からないのも魅力だ。

残りの60%を火力でカバーしていけば、供給量としては大丈夫だが、火力に関しては環境の問題と輸入する燃料費の負担があるので、可能な限り新鋭の効率の良いものに設備を入れ替えていく必要がある。旧式の火力と新鋭機では効率が倍近くも違うので、実施すればその効果は絶大だ。
当面は、不安定な太陽光や風力のために旧式火力をバックアップとして存続させる必要があるが、大型蓄電池、揚水式ダム、送電網などを充実させることで次第に火力のバックアップがいらないようになるはずだ。電力会社による再生可能エネルギーの接続拒否問題を受けて、国は今年度、この部分にはある程度の予算をつけている。不安定といえば、過去の実績から考えると原発も他の原発の事故の影響で長期に停止することもありうるので、もしもの場合は火力に依存せざるを得ない。その意味でも旧式火力を早くリプレースして信頼性を上げておきたい。

このように当面の電源構成は、動かしようがない部分がほとんどで、その後はそれらを発電コスト、環境面、エネルギー安全保障の観点から、各々どのように伸ばしていくか、抑えていくかを歩きながら考えることになる。

発電コストで言えば、再生可能エネルギーはまだまだ高いが、太陽光が風力やバイオマスなど違って、今後も下がる可能性がある。原発は稼働率を70%からアメリカ並の90%に上げることが出来れば、発電コストが大きく下がる。火力も新鋭機導入により同じく発電コストが下がることが期待出来る。
環境面で言えば、再生可能エネルギーと原発が最も優れているが、原発は放射性廃棄物の処分を環境問題として取り上げるかが問題だ。火力は効率を上げた分だけ発電における二酸化炭素排出量が下がる。また、CCS(二酸化炭素の分離貯留)が実現するかもしれないが、発電コストの増加要因になるだろう。エネルギー安全保障で言えば、再生可能エネルギーが最も優れており、ついで原発、火力の順になる。

夏と冬の需要のピーク時対策については、電力各社とも3.11以降はクリア出来ているので、原発再稼働があれば、今後も問題はなさそうだ。
最後に、日本近海のメタンハイドレードやその下にあるガス、石油の商業採掘開始が10年後に目処がつくようなことがあれば、北海油田のイギリスやシェールガスのアメリカのように、我が国が資源国にならないとも限らない。その場合、エネルギー安全保障問題は完全に解決する。

(参考)スマートジャパンのニュースより

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