日本エネルギー会議

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ロボットへの期待

福島第一原発の事故で避難対象となった福島県双葉郡の復興が進んでいる。再び自由に通れるようになった国道6号線、通称浜街道を通ってみると、原発廃炉関連、除染関連の車で混雑している。除染は居住制限区域から帰還困難区域へと広がって、中間貯蔵施設の建設にも大熊双葉の2町よりゴーサインが出た。政府は1月15日、平成27年度一般会計予算案を閣議決定。復興特別会計は前年度を上回る額を確保した。そのなかで、原発のある双葉郡をロボット研究開発などの最先端地域とする福島・国際研究産業都市(イノベーション・コースト)構想の一環として、「廃炉国際共同研究センター」新設整備費が認められた。

ロボットは廃炉のような特殊な作業を行うだけでなく、いまや人口減少に直面する我が国では、生活のあらゆる場面に使われるようになっている。最近では人型ロボットだけではなく、人の動きに同調する動きをするもの、人の筋肉をアシストするものなどが出現。小型無人ヘリも注目されている。

浜通り地域は、区域指定解除後に帰還希望の住民が少なく、しかも高齢者が大半という、まさに日本の10年後を先取りする人口密度と年齢構成になると予想されている。このため、生活のために役立つロボットをどのようにして徹底的に使いこなせるかの絶好の実験場になりうる。

事故以前、双葉郡では田畑、山林が多く存在し、広く農業、林業が行われてきた。その担い手が高齢化し、後継者不足が問題になっていたが、これからは後継者として期待されていた人々がほとんど外部に移住してしまった後継者ゼロ状況となる。建設業も地方では主力産業であるが、これも除染に人手を取られ、復興のための建設業の活躍に支障が出ている。

高齢者が多い社会では、介護や生活支援が欠かせないが、事故前は家族やコミュニティがそれをカバーしてきた。週末になると大型スーパーや商店街は、息子や娘の車に乗せてもらった高齢者が買い物に行くのを楽しみにしていた。病院に通うのも家族の誰かがマイカーで送り迎えしていた。そのスーパーや商店も人が募集出来ずに再開出来ないという状況が、南相馬市など指定区域解除が先行したエリアで生じている。

そこで双葉郡では、今までの通念を超える徹底したロボットやITの活用をしていくことが期待される。人や物の運搬、配達、清掃、ゴミ出し、除草、畑仕
事、防犯、健康管理、治療などに関して、無人化省力化、また、それらに従事する人々をアシストすることで、人手を何倍にも活かして使う。双葉郡をそうしたことを実際にチャレンジする場にしたいものだ。

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