日本エネルギー会議

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省エネに予算を

政府は今春、国のエネルギー政策の指針を示す「エネルギー基本計画」を閣議決定。安倍政権はこの計画で、原発を「重要なベースロード電源」と位置付け、安全が確認できた原発から再稼働させると明記した。

原発について「確保する規模を見極める」とし、再生可能エネルギーについては「これまでのエネルギー基本計画を踏まえて示した水準を更に上回る水準の導入を目指す」としているだけで、将来の電源の構成については触れていない。この点について衆議院議員選挙を前に閣僚から「来年の夏までに明らかにする」との発言があった。

今回の「エネルギー基本計画」に対して原発推進者からは「重要なベースロード電源」と認められたから再稼動はもちろん、規模を維持するために増設も視野に入ったと歓迎する声が出る一方、原発反対者からは、安倍政権が福島第一原発の事故の収束も出来ないまま、国内での原発推進と原発輸出に舵を切ったとの批判が出ている。

今後、電源の構成比について、両者からはその割合を確保するための激しい応酬があると予想される。両者とも火力発電を増やせという声はなく、国際収支のためにも、地球温暖化防止のためにも少しでもその割合を減らすべきだということについては一致している。

構成比において割合を増加させるには、原発や再生可能エネルギーを増やすほかに、全体の電力需要を減らすという方法がある。省エネや節電によって電力需要を減らせば、それだけ既存の原発や再生可能エネルギーの割合を高めることが出来る。需要が少なくなった分、火力発電を減らせばよい。

最近、エネルギー問題について地方自治体が国任せではなく、独自の計画を作り再生可能エネルギーを増やしながら自給自足を目指すなどの動きが出ている。日本全体の電力需要の1割近くを占めている東京都では、再生可能エネルギーの供給量を計画的に増やすと同時に、需要を削減する施策を実施して2024年度までに再生可能エネルギーを全体の20%にする目標を作った。

従来からの節電対策を進めるとともに、大規模なビルを中心に太陽熱や地中熱の導入による省エネを促進する。地中熱の地域冷暖房への使用、コー
ジェネレーションシステムの普及を試みて電力需要を抑制する計画だ。こうすることによって結果的に電源構成比に占める再生可能エネルギーの割合目標を達成することが可能になる。

人口減少により一人当たりのGNPは変わらなくとも、これからわが国のエネルギー需要は自然に減少していくが、これを政策的に加速させることが望まれる。その省エネ技術は青色LEDのように世界各国で歓迎されるだろう。今後、エネルギー計画の中に省エネの柱を立てるとともに、国のエネルギー関連予算も省エネに、今以上に多く割り当てられるべきではないか。

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