日本エネルギー会議

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小手先の政治

福島第一原発の事故があった福島県では、あれ以来、各政党、地元の議員とも県民の顔色を伺いながらの言動が続いている。民主党政権が決めた避難区域や除染の基準などは、自民党政権になってそのまま引き継がれ、賠償のスキムも変わっていない。先の知事選では自民党福島県連は独自候補として日銀OBを立てようとしたが、党本部がそれでは勝てないと判断し、結局、民主党などが推した内堀副知事に相乗りしてしまった。知事選で負けないためには、なりふりかまわず、なんでもやるという姿勢が県民を驚かせた。

自民党は原発に関する公約を、年々表現を変えて推進の立場に戻りつつある。今回の衆議院議員選挙でも、自民党の候補者は原発に関する自民党の公約は県内全基廃炉を望み、他の立地における再稼動を腹立たしく思う大方の県民の反発を買うことを考えて、いささか党の公約と違う言い回しをしているが、党本部もそれを黙認しているようだ。知事選で見せた中央と地方のねじれとご都合主義を、県民は再び見せられている。

候補者が所属の党の公約と矛盾するようなことを言うのは、自民党の中が各県の事情を反映しており、自民党の中に国があるようなものに思える。立候補者に公約をそのまま言わせない党は信用出来るのかという気もする。これは他の党にもありがちなことだが、こうしたことが続くと、県民は民主党には期待出来ず、自民党でなければ景気対策も東日本大震災からの復興もうまくいかないとは知りつつも、馬鹿にされたような気がするのだ。このあたりは、メディアも地域の事情と割り切っているのか、差異について今のところ厳しい論調はなく、淡々とした報道をしている。

昨日も、自民党の安倍総裁が相馬市で遊説第一声を上げ、その中で「来年の連休前までにはとしていた常磐自動車道全線開通を2ヶ月早めて3月1日にする」と突然の方針変更を口にした。東日本高速道路側も「総理の発言を重く受け止め、全力でやる」と答えた。野党側から言わせれば、これは政権の党首だから言えることで、選挙演説でそれを初めて公にするのはアンフェアーだ。 

なぜ、安倍総裁は国が前面に出ると明言した汚染水問題のもたつき、除染の進捗に必要な中間貯蔵が遅れていることなどについて率直にあやまるようなことが出来ないのか。小手先を駆使されると、逆に中身がないのか、それとも何か隠しているのかと疑いたくなる。疑念はオリンピック招致活動でのアンダーコントロール発言以来続いていて、こうしたことが避難者をはじめとする県民の政治不信の源であるような気がする。  

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