日本エネルギー会議

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知恵者

メガソーラーによる電力の接続問題は、完全に資源エネルギー庁の失敗だが、その後の対応の遅さも目立つ。誰も責任を取らないのはいつもの通りだ。法案を成立させた当時のテレビに映った得意満面の管総理と笑いの止まらないソフトバンク孫社長の姿が思い出される。

作った電気は20年間高値で電力会社が買い取る約束があり、10年で元をとってあとは儲け放題だ。このうまい話に目先の利く人々は先を争って申請を出して権利を押さえに走った。その量は瞬間的には各電力会社の最大電力を超えるほどにも積みあがっているらしい。高値で買い取るための費用は一般消費者から電気料金に上乗せして徴収される。今まで徴収され続けてきた電源開発促進税と同じやり方なのだ。

買取りを止めるか、買取価格を下げなければ一般消費者の負担は年を追うごとに増える一方だ。太陽が照るたびに、消費者の財布からカネがメガソーラー企業にどんどん流れていく。放置すれば、これから20年間、日本に住む人はとんでもない高い電気を使わなくてはならなくなる。

この失敗を帳消しにする知恵者が現れてくれることを願うばかりだが、現実はなかなか難しい。電力会社が接続を拒み続ける、引き取り拒否出来る日数や時間を増やす、接続する際に送電線整備などの費用を分担させる、メガソーラーでの発電に特別な課税をしてその分を上乗せ分に当てるなどが考えられるが、役所側が強引に条件を変ると既得権侵害で訴訟が起きる可能性がある。  

ところで、今回の買取価格が物価に連動して変化するのではなく、固定価格での長期買い取りだという点に私は注目する。近くわが国の電力が自由化となれば、いったんは競争で電力料金が下がるが、やがて寡占状態になり、今度は高値安定すると見るむきもある。先行したヨーロッパにおける電力自由化後の電力料金は、この見方を裏付けるものとなっている。

もし、消費者が支払う電力料金が全体的に高値安定になれば、メガソーラー側に高値で固定価格買取を約束していても、平均的な電気料金から突出することはなく、消費者としてはそれほどの痛みにはならない。メガソーラー側は、減価償却は出来るがそれほどうまみがなくなる。

逆に、電力自由化による九電力と新電力との熾烈な価格競争、あるいは安いシェールガスの流通、原発の高稼働によって、電力料金が下がるようなことになれば、接続済みのメガソーラーによる高値の電力は、役人たちの見通しの甘さが消費者に莫大な損害を与えた例として長く記憶されるだろう。

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