日本エネルギー会議

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除染廃棄物の活用

福島県およびその周辺では福島第一原発の事故により飛散した放射性廃棄物の除染が進められている。すでに多くの地域では除染が終了し、除染廃棄物がフレコンバッグと呼ばれる大きな袋に入れられて仮置き場に集積され、中間貯蔵施設への移動を待っている。廃棄物の量は2800万立方メートルと見積もられている。この中には田畑や山林などの除染で出た草、樹木の枝葉が大量に含まれ、減容化のため焼却も検討されている。

昨日、「夢の扉」というテレビ番組を見ていたら、バイオコークスという有望な技術が開発されたことを紹介していた。この技術は近畿大学の井田准教授等が開発したもので、石油や石炭が太古に3千万年かけて植物から作られたのに対して、圧縮機と180度の熱で、わずか60分でどんな植物由来のごみからも燃料となるコークスが作れるというものだ。廃棄物も一切出ない。既に高槻市には一日約5トンのバイオコークスの自動加工施設が稼動している。大きさは小さな体育館くらい。植物由来だから二酸化炭素排出は実質ゼロだ。この事業は「新エネ大賞」資源エネルギー庁長官賞を受賞している。課題としては1日5トンの植物由来のごみを集めることだという。

ごみならいくらでもある。福島県の浜通りにもこの加工施設を建設し、除染で出た植物由来の廃棄物は、すべてバイオコークスにするとよい。1日5トンで処理しても何年もかかるはずだ。圧縮して鉄のように硬い円筒状の固形燃料になるので放射性物質の飛散も防げるし、集積する際のスペースも何分の一かに出来る。そのバイオコークスを使う火力発電所を動かせば出力が不安定なソーラーばかりに頼る再生可能エネルギーにならないで済む。本当のコークスに比べて二酸化炭素の排出量は4割減だ。

除染や解体した建物がなくなれば、次は川内村など阿武隈高地から出る間伐材、稲藁、刈った草などが持続的に供給可能だ。福島第一原発の事故からの復興には最新の技術を取り入れることで、他の地域より先進的な産業復興をしたいものだ。

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