日本エネルギー会議

  • 設立趣旨
  • お問合せ

いつまで続く風評被害

今月2日に、「福島県産食品の購入をためらうが19.6%(消費者庁調査)」と報じられたニュースには愕然とした。福島第一原発の事故から3年半も経つが、いまだに全国的には風評被害が止まらない。しかも、半年前の調査より4.3ポイントも増えた。消費者庁によれば、原因分析は十分に出来ていないとしながらも、例の「美味しんぼ」騒ぎの影響にも言及した。

最近、知ったのだが福島県内のある市の小中学校の学校給食には、いまだに県外産のコメを使用していて、来年度からは県内産に切り替えることになっている。県ではコメの全袋検査を続けているが、県民自体も相当に風評に惑わされていることがわかる。これでは、韓国など海外での風評被害が収まらないと嘆く資格がない。このような報道がされると、心配性の主婦などが「まだ、皆さんも放射能の影響を心配をしているようだから…、子供も口にするものだから…」と、福島県産の食材を避けていた以前の行動に戻ってしまう可能性がある。

ニュースで事故のことが取り上げられると、風評被害が再燃する一方、忘れられかけている原発事故の被害がまだ続いていることを再認識してもらえるという、被災者の利益にとって相反する二つの効果が発生する。「美味しんぼ」騒ぎのときもそうだったが、事故から時間が経過し事故が風化してしまうことを憂いている福島の人々は、風評被害には頭を悩ませつつも、漫画が全国の人々に福島原発事故のことを思い起こしてもらったことは良かったと考えた。 

除染や廃炉が着実に実施され、区域解除、住民の帰還、産業活動再開が行われることが、その姿を多くの人に知ってもらうことが、なによりも風評被害を抑えることにつながる。かつて福島第一原発という大事故があったことが、放射能に打ち勝って見事に復興を成し遂げたという「成功ストーリー」とともに国民の記憶に永く残るようにしなくてはならない。

  • データベース室
  • エネルギーとは?
  • 世界と日本のエネルギー
  • 原子力の論点
  • 放射線と健康