日本エネルギー会議

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ババ抜き

福島県だけでなく、周辺の県でも汚染された土壌の処理場探しが難航している。さらに大きな問題は使用済燃料の置き場や高レベル放射性廃棄物の処分場。各地の原発から出た使用済燃料や海外から返還されたガラス固化体を預かっている青森県は、50年という期限付きの保管にこだわっている。各電力会社が建設し、あるいは建設を目指している発電所構内の使用済み燃料乾式貯蔵施設についても、地元がどうぞいつまでもとは言わないだろう。最終処分ともなれば、どこの地域でも抵抗が大きい。トランプのババ抜きのカードのように、誰もが持ちたくないのが核のゴミだ。

落語の枕に使う話で、昔の人がゴミなどの迷惑なものをどのように扱っていたかが、ユーモラスに描かれているものがある。ゴミが出ると長屋のまわりに適当な大きさの穴を掘って埋めていたのだが、そこが一杯になったので、穴を掘ったところ、また大量の土が出てしまい、これをどう処分すればよいかを長屋の皆で集まって相談していたがなかなか決まらない。そこに通りがかりの男が首をつっこんで、「そりゃ簡単だ。もう一つ大きな穴を掘ってそこに埋めればいいんだ」と言ったので誰もが「なるほど」と納得したという話だ。それでは次々と穴を掘らねばならないが、当面の解決になっていて、これを続けている間は、破局にいたらずに済む。

なんとも人を馬鹿にした話だが、口うるさい長屋の連中が納得したというところがこの話のおかしいところだ。トランプのババ抜きも、ゲームオーバーまでは、誰かがババを持っていて、それがプレイヤーの間を行き来しているので、ゲームが続いている限りは誰が最後にババを持つことになるかはわからないので不安はあるが絶望的にはならない。

放射性廃棄物の最終処分地にはしないと、国は青森にも福島にも約束をしたが落語に似た発想だ。何万年も放射線を出すゴミをずっと埋められてしまうという悲壮感あふれる話とはせず、何十年か経ったら別のところに次の穴を掘りますということの方が心理的負担ははるかに少ない。これを繰り返していくという継続性だけを確実なものにすればよい。ただし、移設費用はかなり掛かる。

幸い、ゴミは埋まっている間に土に帰っていくし、放射能は年とともに減衰していくので、次の穴はより見つけやすくなるだろう。50年後に次の穴を掘る場所は全国輪番制で、順番はくじ引きにしてもよい。早い番号のものほど地元への迷惑料を大きくすると、くじ引きではなく、早く受け入れたいというところも出てくるかもしれない。

使用済燃料や廃棄物の保管施設が、原発に比べて雇用は少ないが安全性については、より安心なものだということが、六ヶ所村やむつ市では理解され始めている。三沢空港から乗ったタクシーの運転手が本気で「全部六ヶ所に持って来てもらえればいい」と話しかけてきたし、テレビ番組では土建業を営む村会議員がインタビューに「期限が来たら、あと200年延長したらいい」と答えていた。この村議は実体験による保管の安全性と地元に落ちる金を考え、輪番制拒否のようだ。事故によりばらまかれた放射性廃棄物は他県や双葉郡以外に分散せずに、賠償金を払った上で、どうせ帰れない第一原発周辺に持って来たらどうかという意見を双葉郡からの避難者などから時々聞くことがある。

こういう傾向が続けば、輪番制は最初の入口だけになるかもしれない。そうすれば、移設費用を地元に対する迷惑料に上乗せしてあげれば良い。これを読んで、「それはない」と言う人がいたら、是非ともこれに代わる案を申し出て欲しい。 

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