日本エネルギー会議

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防災無線の防災問題

読売新聞が伝えたところによれば、和歌山市役所で防災行政無線の機器が今月19日、落雷の影響で故障。市内全域で地震や津波の警報を放送出来なくなった。市総合防災課によると、デジタル式のものは21日夕に復旧したが、沿岸部などに設置されているアナログ式のものは復旧のめどが立っていない。市は当面、緊急時は市広報車からの放送や携帯電話会社のメールサービスを使うなどするという。

私はこのニュースを知って、3.11の時のことを思い出した。震災当日、地震発生とともにあたりは停電したが、富岡町の防災無線は、30分後の津波襲来と高台への避難指示を繰り返し伝えていた。次の日になると隣の大熊町の福島第一原発が緊急事態になったため、西隣りの川内村役場を目指して自家用車で直ちに避難するよう指示を緊迫した声で繰り返した。震度6強の揺れにもかかわらず、防災無線は機能を発揮した。富岡町では、震災前に防災無線の聞き取りにくい世帯が申請をすれば、室内用のスピーカーも配備していた。

昨年、台湾の原子能委員会に呼ばれて、川崎市の消防指令の方(福島第一原発の事故で放水作業に当たられた)とともに台北市に講演に行ったが、先方は防災無線に大変興味を示し、日本の防災無線のメーカー名を教えて欲しいとリクエストがあった。台湾の原発立地自治体にはまだ防災無線は設置されていないようだった。

今回の事故で原発事故が単独に起きるより、自然災害の後で起きる可能性が高いことが分かった。そうなると原発の状況や避難指示を知らせる防災無線は、災害で故障したり、電源が失われたりするかもしれない。住民に対する情報提供手段として最も重要な防災無線の耐震性や電源確保には十分な対策を講じておきたい。その上で、防災無線が使えなかった時に備えて、携帯電話やローカルラジオ局、FM局、町や消防署の広報車、航空機による放送、サイレンなどの準備もしておくべきだ。携帯電話会社も鉄塔が倒れたり、電源を失ったりなど反省点が多かったようだ。

防災計画が作られ、それに基づく訓練なども行われるが、防災関係の建物、設備、車両、資機材、通信手段などを、地震や津波から守ることが出来ているのか、また、それらが失われたときの第二第三の矢が準備されているかをもう一度確認しておきたい。

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