日本エネルギー会議

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爆発についての説明

福島第一原発の事故で強く印象に残っているは、地元テレビ局が偶然撮影した1号機爆発の映像である。この爆発を巡って、当時の菅総理と班目原子力安全委員長との「爆発は起きるのか」「起きません」の会話が有名になった。今朝のNHKの番組でも当日双葉厚生病院に勤務していた看護師が、「地震だと思いました。そのうち空から砂のようなものが降ってきました。芳香剤のような匂いもしました」と証言していた。各調査報告書では、この爆発で事故対応の環境が一変してしまったと分析されている。「爆発」は今回の事故のキーワードのひとつだ。

一般の人にとって、福島の事故以前に原発と爆発について聞かされていた知識は、原発は原爆と違い爆発はしないこと。チェルノブイリで起きた爆発は水蒸気爆発であり、格納容器がなかったため放射性物質が世界中にばらまかれたこと。軽水炉は核の暴走が起きないような設計になっていたこと。東海村のJCOの場合、爆発でなく臨界事故であり、原子炉を運転するように核分裂が持続してしまい、放射線で人が死んだことである。

一般的には浜岡原発で過去に原子炉近くの配管内で小規模な水素爆発事故があったことは知られていない。また、原発では運転中、格納容器内は窒素ガスで満たされていたが、これが水素発生抑制と関係があることもほとんどの人は知らなかった。

福島第一原発の事故後、人々は爆発しないと聞いていた原発が爆発するものだということを知ったが、その爆発が水素によるものであるとともに、原子炉建屋を吹き飛ばすほどに強い爆発をするものだという事実を認識した。さらに、水素は隣の原発まで入り込みこれも破壊する爆発を起こすことも知った。福島第一原発の事故で避難した住民は、爆発するような原発はもう懲り懲りだと思っている。

人は危険性の話をする場合、その最大値を知りたがり、また最大値を前提にいろいろ考えるものだ。国内の原発で本当に核暴走は起こりえないのか、起きた場合は今回の水素爆発より凄まじいものなのか。2号機だけは爆発しなかったが、それは何故か。より深く考える人は、今回はなぜチェルノブイリのような水蒸気爆発しなかったのか。もし、水蒸気爆発をしたらもっと遠くまで放射能が飛んだのか。テロリストが爆弾をしかけたらどうなのかという疑問を持っているが、政府も事業者もこれに答えていない。(一部は石川迪夫氏が回答しているが)

原発で起きる爆発にはどんな種類があり、それぞれ爆発はどのようにして起き、その結果どのような影響があるのか、爆発をさせないためにどのような対策が取られており、今回どのような追加策が行われたのか。この結果、爆発に関する心配はどの程度なくなったのか。

政府が原発再稼働を判断し、事業者がこれを実行に移す前に、原子力規制庁などが立地地域の住民に、原発の爆発に関する疑問に対してわかりやすく説明し理解をしてもらうべきと考えるが、事故から3年3ヶ月経ってもそれはまだ出来ていない。

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