日本エネルギー会議

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高齢者用の施設を

仮設住宅の生活は慣れてしまうとはいえ、三年半もいるときついものだ。概ね買い物などが不便な場所に建てられ、隣りとは板一枚で音がする、細い通路を挟んで前の棟が建つので風通しは悪い、屋根がトタンなので寒くて暑い。エアコンに頼った生活だ。二年目くらいから雨漏りや隙間風もするようになる。家具を買いたいが、狭いのでこれ以上は無理だ。

若い人から、あるいは家の賠償を貰った人から仮設を出て行く。残った人はもともと町営住宅などに入っていた高齢者夫婦や単身者が多くなってきた。大家族で住んでいたけれど、孫の学校や息子、娘の職場の都合で二箇所三箇所に分かれて暮らすようになり、年寄りは結局仮設住宅にとどまっている場合もある。要介護度が高くなって仮設住宅から直接介護施設に入った人もいる。町村毎に仮設住宅が作られているので、隣近所の付き合いだけは出来ている。借り上げ住宅(みなし仮設と呼んで、民間のアパートなどに入り、家賃は仮設住宅と同じように県が負担してくれる)に移れば良いと思うのだが、高齢者は人とのつながりを大切にするので、アパート﨡入って孤立することは大変なので仮設住宅で我慢している。

復興公営住宅は数が少ない上に、今年中に入居出来るものは限られている。中通りの便利なところや人気のいわき市は抽選倍率が高い。場所探しに時間がかかったにせよ、3年たってもこの有様だ。テレビで安倍総理が国会で自信たっぷりの答弁をしたり、傍らの麻生財務大臣と談笑したりしているのを見ると、仮設住宅に住んでいる人は、政治家たちはいい気なものだと思うだろう。

今、仮設住宅にいる高齢者は、もう終の棲家に入ってもおかしくない年齢だ。自治体は鉄筋コンクリート作り4階建ての復興公営住宅に彼らを入れるのではなく、仲間で安心して暮らせる平屋の老人施設を造るべきだ。今までどおり、隣り同士で付き合いをしながら助け合って生活でき、かつ仮設住宅より設備のよいところにそのまま移ってもらえれば良い。建設する場所は今の仮設住宅があるところではなく、最近区域が解除になった双葉郡の町村が良い。故郷に近く、雪が少なく明るい温暖な土地が、高齢者の心身にとって一番の恩恵だと思うからだ。

自治体は公営復興住宅の建設を優先しているが、本当は高齢者向けの老人施設を急いで建てるべきだ。高齢者を区域解除になった所にしっかりとつなぎとめることで、勤労世代に働く場所が提供され地域が潤う。福島第一原発の廃炉には30年以上かかるという気の長い話をよく聞かされるが、避難している高齢者に、残された年数はそう多くはないのだ。

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