日本エネルギー会議

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住民説明会でのやりとり

環境省は富岡町にある既設の民間の産業廃棄物処分場に、比較的低濃度(10万ベクレル/Kg以下)の放射性廃棄物を処分することを計画し、県や町村に申し入れている。このほど県と富岡町・町議会は環境省などが住民に対して説明会を行うことを了解。それを受けて県内で四ヶ所、東京中野、さいたま市で各一ヶ所の住民説明会が開催されることになった。

今日はその第一日目。郡山市のビッグパレットふくしま(3年前私が避難した施設)で午後3時から二時間半にわたって開催されたので、その様子をお伝えする。会場には約200人の住民が集まったが、中高年がほとんどで男女比は半々だった。

環境省の主催の説明会には、他に経済産業省、福島県、富岡町長などが陪席、最初に係官が「特定廃棄物の埋め立て処分事業」と題した21ページのカラー刷のパンフレットで施設の概要、何を埋め立てるか、搬入の流れ、安全性、国の関わり方などを説明した。パンフレットは図や絵が豊富でわかりやすいが、説明は早口でついていくのが大変だった。丁寧ではあったが、専門用語も入り何故富岡町かなど微妙な点は避けながら説明が行われた。
双葉郡や福島県が復興を遂げるためには、大熊町や双葉町に計画している中間貯蔵施設には入れる必要がない比較的放射線量の少ない生活ゴミ、ガレキ、県内の焼却灰、下水汚泥、農林業の副産物などを最終処分する場所がなくてはならない。この点についてはどこかに作る必要があること、作らねば復興が進まないことは住民も理解しているようだ。これは地下水放流について漁連が苦渋の決断をしたのと同じような気持ちだ。

後半の質疑で住民から出された論点は大きく四つあった。ひとつは何故、富岡町なのか、しかも北側には大熊町、双葉町に中間貯蔵施設が予定されており、富岡町の南側の楢葉町との境にさらに処分場をつくられては、町は両方から挟み撃ちのようになり、若い人はもう戻ってくれなくなること。

二つ目は、処分場のあたりは富岡町でも一番放射線量が低く、避難指示解除準備区域でまもなく解除が期待されている。土壌中の放射能も少ない場所であり、何故わざわざそこに10万ベクレル以下とはいえ、放射能があるものを埋めるのか。本来なら大熊町や双葉町のようにそれ以上に汚染した区域、特に原発に近い場所に埋めるのが筋ではないか。どうしても富岡町だというのであれば、大熊町との境界に近い地区(帰還困難区域)にいくらでも土地があり、全国に国有地もたくさんあるのではないか。

避難解除準備区域である楢葉町に中間貯蔵施設を計画したことに地元が、何故、汚染の低いに中間貯蔵施設をつくるのかと反発し、結局大熊町、双葉町に集約することになったのと同じパターンだ。

三つ目は、国が事業主体となり、責任をもって事業を実施すると言うが、実は民間の産廃施設を利用し、その事業者に任せてしまう安易なやり方ではないか。除染などでも委託や請負をやって、いままでさんざんな結果であり、はじめはよいがそのうち必ずいいかげんになる。国が直轄でやらないのであれば賛成出来ないというものであった。国に対する信頼感は、事故以来少しも回復していないようだ。

四つ目は、万一自然災害で埋立地が崩れたり、地下水に漏れ出したりしたらどうするのか。紅葉川を通って海まで雨水が行くのに、モニタリング範囲も狭すぎる。子や孫の代まで自分たちは責任が持てないというもの。

これに対して、環境省側は既存の処分場を活用することで直ぐに処分に取り掛かれる。土地探しからやったのでは何年も遅れてその分、福島県全体の復興が遅れてしまうと説明。民間業者に委託する件については、国の係官を常駐させてしっかり管理する、万一の場合は国が賠償するとの一点張りだった。

この他、県に対して「県はひとつの町村だけに迷惑施設が集中しないように見守る必要がある」「県はいつも国と町の間に入るだけ。県が主体的に考え行動していない」との意見も出された。

最後に環境省側が今日出た意見要望はよく検討する、住民の意見を聞かないで勝手に計画を進めることはしないと発言して説明会は終了した。

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