日本エネルギー会議

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知られざる福島の実力

福島第一原発の事故で世界的に知られるようになった「FUKUSHIMA」だが、その実力は日本人にも正しく認識されていない。猪苗代湖や磐梯山があり、八重の桜で全国区になった会津という観光地は有名だが、東北の最南端に位置している県であることすら知らない人が多い。県名に同じ「福」がつく福井県も、よく「福岡」と間違えられるとぼやいていたが、福島も原発事故までは本当に目立たない県だった。仙台市のある宮城県、新潟市のある新潟県などとくらべて全国的に有名な大都市がないこともわざわいしている。日本第三位の広い面積の県ではあるが、人口も少なく県全体で200万人を切って、今も札幌市に追い抜かれつつある。
ところが、福島県の製造品出荷額等は、東北第1位で東北全体の3分の1を占めている。自動車の基幹部品であるエンジンや飛行機のジェットエンジンという輸送用機械を作る産業があり、大手半導体メーカーとその関連産業、世界有数の内視鏡製造工場など医療福祉機器関連産業もある。それらのほとんどは福島県の「浜通り」のいわき市と「中通り」の福島市、郡山市、白河市にある。 
人口もそこに集中しており、さらにサービス業など第三次産業もそれに合わせて存在している。広大な土地に東北自動車道、常磐自動車道、東北新幹線などが通っていて、工業立地として優れていたこと、いち早く工業化に取り組んだことなどが今日の成功につながっている。


その地域は原発事故の避難区域から遠く、リーマンショック以降の工業製品の出荷額、事業所数などの落ち込み傾向はあるが、震災や原発事故の影響は見られない。農林水産業や観光業は県全体で、直接被害あるいは風評被害を大きく被ったが、製造業は被害軽微であった。もっとも、事故直後は、製造業の製品でさえ外国から放射能汚染の疑いをかけられるということがあった。いわき市では地震や津波の影響で工場が被災したところもあったが、今はほとんどが復活している。原発周辺にも各町で造った小規模な工業団地があったが、空きがあるものが多かった。既に避難区域外で工場を造り、元の従業員を集めて操業を再開した小さな企業もある。

事故で原発周辺から避難した労働人口はいわき市や中通りで職を見つけることはそれほど難しいことではなく、震災からの復興工事もあって、それらの地域では、求人倍率は企業側に厳しい状況となっている。そのため、南相馬市などでは若い人が戻らないため、店や工場が再開出来ないといった声が出ている。

以下は福島県の工業統計によるもの。

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