日本エネルギー会議

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グリーンフィールド

グリーンフィールドとは、原発を廃炉にしたあと、平らな地面には青々とした芝生が広がっていることをイメージした言葉だ。日本で初の原子炉であり、廃炉1号ともなった日本原子力研究所(現在の日本原子力研究開発機構の前身)東海のJPDRは、グリーンフィールドとなっている。JPDRの北側で現在廃炉措置が行われている日本原電の東海原発も、最終的にはグリーンフィールドにする計画だが、放射性廃棄物の行き場が見当たらず、工事は中断している。これに対して、旧ソ連のチェルノブイリは石棺であり、スリーマイル島原発もグリーンフィールドではない。グリーンフィールドはどうやら日本人の潔癖症に合っているようだ。

原発推進派は、大事故が発生しても住民の被ばく年間1ミリ以内、法定限度を超して被ばくする作業者ゼロ。汚染水の流出ゼロ、放射性廃棄物は県外に、そして事故炉が片付いた跡はグリーンフィールドを目指しているように思える。これは安全だけでなく安心までカバーしようということだ。その裏側には、反対派につけ入る隙を与えたくないという推進派の思いが見え隠れする。

原発の出す出力が、他の電源に比べて桁違いに大きく原発を推進するにあたって、住民を安心させるための金は出せるのではと考えているようだが、その金の出処は税金と電気料金だ。

推進派は福島第一原発の事故後、安全神話の反省から、「反対派はリスクゼロを求めるが、世の中にリスクゼロはあり得ない」と主張している。にもかかわらず、なんとしてでも原発解体後のグリーンフィールドを目指すというのはリスクゼロを求めているということだ。

推進派反対派とも、あきらかに無理をしている面がある。福島第一原発の事故後の住民説明会で、国は除染を何回でも繰り返して故郷に帰って住めるようにしますと言った政治家もいたが、いったいそれをやるのにいくら掛かるのか知っていたのか、あまりにも無責任だ。この発言で避難した住民を「それなら徹底的に除染をやって貰おうではないか。それまでは帰還しない」と反発してムキになってしまった。今、国に財政負担が重くのしかかり、住民もいつまでも帰れないというダブルパンチをくらっている。

こうした綺麗事を言っていて、自らを縛ってしまったのが福島第一原発の事故原因ではなかったのか。福島第一原発廃炉がグリーンフィールドにこだわるようでは、また、同じことを繰り返しそうだと心配になる。

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