日本エネルギー会議

  • 設立趣旨
  • お問合せ

浜通りの復興のために

福島、特に浜通りの復興については、以前、首都圏との位置関係や地理的条件からエネルギー基地が中心となるのではないかと書いたが、楢葉沖の浮体式風力発電やメガソーラー、それに東京電力の石炭火力増設など、その方向に向かっているように見える。もっとも石炭火力は温暖化対策の面からは全面的に賛成は出来ないが、最新鋭の高効率機導入ということでは評価出来る。だが、これらは原発とくらべると雇用や現地に落ちる金という点では、ややさみしいところある。津波を乗り切った福島第二原発の再稼働に同意することは、福島県民の気持ちとしては、かなり厳しい状況にある。

原発事故で浜通りから避難した人々は、帰還の条件として、雇用や商店街の復活を望んでいるが、雇用主にせよ商店主にせよ、住民の十分にいないと容易に再開は出来ないという問題がある。これではたまごかニワトリかの論争のようになってしまい我慢比べが続いてしまう。かつて人材育成の仕事をしていた頃に、学校に対して原子力に優秀な人材をたくさん欲しいと言ったところ、ある先生は「原子力開発計画がもっとしっかりすれば、学生は機を見るに敏感、いくらでも集まりますよ」と、言われた。今後、浜通りに大企業や優秀な中小企業が集まれば、避難していた人たちだけでなく、全国から優秀な人材が浜通りを目指して集まってくるチャンスにもなるということだ。

それには、現在、避難している私たち個人に与えられているさまざまな特典、すなわち固定資産税や住民税など税金の減免、帰還に伴う90万円の支給、高速道路の無料通行、医療費自己負担なしなどを、浜通りに帰還あるいは進出する企業で働く人にも10年程度適用すればよい。避難指定が解除されたとはいえ、そこで生活し、働くひとたちの精神的負担は当分続く。それに対してこのような措置をすることは決して不自然ではない。現在、福島第一原発の廃炉や地域の除染をしている企業に対してもこれを適用するとよい。

さらに、特区として特別償却を認めるなど設備投資に対する優遇措置も実施する。これで地域復興にはずみがつけば、特典に必要な費用は回収出来、下落した地価も戻る。政治家は「福島の復興なくして、日本の復興はない」と言うが、具体的に何を考えているのかが、見えてこない。復興税を、かつての三法交付金のような効果を尊重しない使われ方で使われたのでは、浜通りはいつまでたっても復興出来ない。

  • データベース室
  • エネルギーとは?
  • 世界と日本のエネルギー
  • 原子力の論点
  • 放射線と健康