日本エネルギー会議

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台湾からの質問

先週、日本の避難訓練の状況や評価についてのニュースを送って欲しいとの要望が台湾原子能委員会の関係者よりあったが、今週になって、さらなる質問が来た。それは、「事故発生当時、東京電力の業務を請負ったことのある業者たちが原発事故の対応支援をしたのか、それとも別の請負業者を招いて、東京電力の社員の対応作業の支援をしたのか」というものだった。

我々が当然と思っていることが、海外ではまったく分からないということが、この質問でわかる。ということは、我々が思っている海外の状況も現地の人から言わせれば何もわかっていないということになる。それはともかく、台湾では、実際に過酷事故が起きた際には、どのくらいの陣容が必要なのかということを真剣に検討していることが窺える。

通常、日本の原発では2基設置のサイトで、社員が300人強、常駐の協力会社従業員(下請けを含む)が600人強、合わせて約1000人といったところだろう。これは事務系の人数も含めてのことである。1基が定期検査を実施していれば、ピークでプラス1000人となる。福島第一原発の事故は平日の午後に発生したので、構内には相当数の作業員がいたと思われるが、協力会社は運転の支援とメンテナンス要員が中心だったはずだ。

台湾は、事故対応について社員を中心に考えているようで、請負企業は支援と位置づけている。日本の場合は、通常から請負に出している業務が多く、保修部門の社員は監理が中心で、現場の実務は経験がない。したがって支援どころか請負企業の作業員に中心となって働いてもらわねば、事故対応はケーブル一本引くのさえ不可能だ。

さらに興味があるのは、台湾は事故の際も請負契約のことを真面目に考えていることだ。日本ではそれは後の話で、当座は以心伝心で請負企業は電力会社の要請に応じてくれるものと期待している。だが、日本でもフクシマ50の例でもわかるように、高線量を被ばくする恐れのある作業では、どこまで期待してよいものかは不明だ。台湾は社員の増員か、あらかじめ契約をして請負企業に常駐してもらうことを検討する必要がある。日本も今までのように以心伝心でなく、どこまでやってもらえるのかを詰めておく必要がある。

事故は平日の昼間に発生するとは限らない。夜間休日、どんな状況でも対応出来るようにするには、相当のコストが掛かる。また、地震や津波が伴う場合は、どのようにしてサイトに集まってもらうか、連絡や移動手段も確保しておく必要がある。最近よく行われている防災訓練で、このあたりは取り上げられているのだろうか。

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