日本エネルギー会議

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汚染水処理

カラスの鳴かない日はあっても、福島第一原発の汚染水のニュースがない日はないようだ。昨年も大雨が降ったが、今年は大雨や台風の情報に原発の汚染水問題が必ずついてくるようになった。避難している身では、テレビや新聞で現地の様子を知るしかないが、先日のテレビの映像には驚くしかなかった。

そのビデオ画面は、夜間、降りしきる大粒の雨のなか、白い防護服に身をかためた作業者が懸命にホースなどを持ってタンクの周囲の水を汲み出そうとしているもので、堰の中にかなりの高さになった水面にポツポツと雨が落ちてはねていた。一昨年の事故当時、東電の担当者は汚染水を海に流失させてしまったことを涙ながらに発表していたが、今は淡々とした語り口になっていて、月日の経過も感じさせた。

そもそも堰は何のためにあるのか。それはタンクの内容物が漏れたときに、直接地面に流れないようにするためで、雨水を溜めるためではないだろう。室内にあるタンクなら堰の役割はよくわかるが、雨がしょっちゅう降る屋外での役割はよく理解出来ない。露店の金魚すくいが、突然の大雨にあったら急いでテントの中に避難させるだろう。素人目では、何故堰にカバーをつけたり、タンクエリアを大テントで覆ったりしないのかと思ってしまう。

地下では山側からの地下水が建屋の地下で汚染されて汚染水が増加しているというが、地上では本来汚染していない雨粒が堰の中に入って汚染水となるというおかしなことが起きている。これからも福島第一原発の敷地に降る雨は、何十年とかけて、構内の放射性物質を地下に浸透させ海へと流し続け、地表の除染が自然現象によって行われるようだ。ヒロシマでも爆発直後に巨大な雨雲が発生して「毒」を洗い流したという記述を見たことがある。

富岡町の自宅の雨樋の下は、一昨年あたりは高線量だったが最近は少し下がり傾向だ。雨で屋根のセシウムが流されて溜まったが、その後の雨でさらに薄まりつつ地下に浸透して行ったのではないかと思われる。人間のやる除染はなかなかうまくいかないが、自然は着実に除染を実行中だ。

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