日本エネルギー会議

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転ばぬ先の杖

 最近、高齢になりゴールド免許の私も、だんだん自動車の運転が心もとなくなってきた。避難のために無料にしてもらっている高速道路を走っていても、いつも左側の走行レーンで文句を言われない程度の速度で走り、いつでも前の車が事故をしても大丈夫なよう、心のブレーキに足を載せながら運転している。福島県内で乗り降りする限り、出口で通行券と免許証を見せれば無料で通過できるが、その都度「お気をつけて」と言われると「転ばぬ先の杖」を思い出して、そのうち免許返上の日としなければと考えている。
 この国のすべての原発は、施行開始が目前に迫る新たな規制基準によって審査を受けることになるが、設備改修に時間が掛かることや、規制側のマンパワーによってしばらくは渋滞が発生しそうで、そのことに注目が集まっている。出来たばかりの基準に対して気が早いようだが、今後、規制基準をどのように時代や状況に合うよう改善し続けるかも大きな課題と認識すべきだ。
 国内外の事故トラブル、新知見の反映をどうするか。大きな事故が内外で起きれば、それは水平展開がされるが、そうではないものや新たな知見に関しては、なかなか反映されにくい。それだけにとどまらず、毎回各サイトでの事故訓練結果を正しく評価して、その結果を反映しなくてはならない。そうしたことを検討する会議が、少なくとも年一回は開催されるようにすべきである。
 そうしないと以前のようになってしまう。自然現象に関して新たな学説が登場することもあろう。新たにテロが起きないとも限らない。とても対応が困難なことが判ると思考停止になって、「寝た子を起こすな」になる恐れもある。また、規制の実務において、規制、被規制とも時間や費用がかかりすぎることを改善をしないと、本当に安全に資することに時間と労力が回らなくなる。これは福島第一原発の事故の前にさんざん経験したことだ。
 新たな規制基準もスパコン「京」と同じで、世界一になったとたんに過去のものとなる。古い考え方による設計、立地、設備と世界的に時代遅れの規制内容が福島第一原発の事故を起こしたことを忘れてはならない。

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