日本エネルギー会議

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テロへの備え

 ハッカー被害を防止するため、優秀な素養を持った人を集めて、対策を検討することが行われている。この人たちは手ごわいハッカーになる能力を持った人でもある。これに倣うならば、原発テロについても、優秀な設計者、運転員、保修技術者を集めて、どうやって人為的にメルトダウンさせるかの研究を行う必要がある。また、自然災害に乗じてそこに手を加えることでメルトダウンさせることも可能性として考えるべきと考えるが、我々が知らないところで密かに研究が行われていることを望みたい。
 原発推進をする側としては、そんな研究はやりたくないだろうが、あらゆる可能性について検討すべきなのが原発事故。特に昨今のように原子炉を持つ北朝鮮が国家主導で過激な行動を示唆するようになって、その必要性は今までになく高まっている。総務省、経済産業省、原子力規制庁、警察、自衛隊など、どこが何を担当するのかを決めることさえ我が国では難しそうだが、そんなことは言ってはいられない。
 私の見た限りでも、欧米では機関銃を持った警備員が多数、原発周辺に配置されているのが普通であり、中国の秦山原発では原発周辺を軍隊が駆け足行進していた。アメリカはフェンスの中に麻薬犬がいたし、ロシアでは各原発に心理学者を常駐させて運転員などのメンタルケアをしていた。我が国ではセンサーによる機械警備の他、機動隊が原発正門近くに、海上に巡視艇が停泊しているのみ。世界最低水準の手薄な警備だ。
 福島第一原発の事故によって、外部電源の遮断や電源室の破壊、それに使用済燃料プールが重要な攻撃対象となることが世間にも知れ渡った。シリアの石油化学プラント襲撃でもわかるように内部に協力者を求めるなど、テロリストの手口は想像を簡単に超えてしまう。福島第一原発のように、ネズミ一匹で電源が落ちてプールの冷却が出来なくなるのでは、テロリストも拍子抜けだろう。 
 国を挙げての対策に、今すぐに取り掛かる必要がある。9.11で遅れをとった我が国の原発テロ対策は、原子力規制委員会の最優先課題でもあるはずだ。福島第一原発の事故では、国家としての危機管理がなっていないことが露呈したが、二年経っても状況はあまり変わっていない。

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