日本エネルギー会議

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トイレのない生活

 政治的混乱の続いた双葉町を除いて双葉郡の7町村は、既に警戒区域を「解除準備区域」「居住制限区域」「帰還困難区域」の三区域に再編し、除染やインフラ整備を進めることになった。私の家のある富岡町では、「帰還困難区域」(我が家もこの区域に入ってしまった)に指定した区域に通じる道路をバリケードで封鎖。他の区域の住民は3月25日から自由に自宅に戻れるようになった。ただし、寝泊りはできず、時間も午前9時から午後3時に制限されている。帰還困難区域の住民も立ち入り許可証が発行されて、いままでよりは頻繁に自宅に一時立ち入りが出来るようになる。
 これで、自宅の片付けや補修、庭の手入れなどが容易になったが、不便さはあまり解消されていない。水道は出ないし、店もやっていないから水や食糧はあいかわらず外から持ち込むしかない。道路もところどころで通行止となっているところがある。電気は東北電力に申し込めば、復活してくれる。
困るのがトイレである。町はここ数年で下水道の整備を行なって、町内はほぼ下水を使うようになっている。私の家も十年前に建てたときには、浄化槽(百万円もする!)を造ったが、数年前に下水が通ったために撤去した。今回の地震と津波で下水処理施設や下水管が被害を受けたために、この下水が使えなくなったのは皮肉なことだった。今までは立ち入りの際に、中継基地でトイレを済ませて行くしかなかった。
 町は今回の地域再編に合わせて、町内に仮設のトイレを設置したが、数万戸の家に対して数十箇所なので、いずれも自宅から離れているおりトイレに行くにも車が必要だ。反対派やメディアが原発を「トイレなきマンション」と揶揄したが、福島第一原発の事故で避難した住民は、トイレのない生活に直面しようとしている。飲料水については、町内に一箇所、役場の近くに設けるとしている。ゴミの回収もなく、庭でゴミを燃やすことも禁止されている。除染も大事だが、住民のために水とトイレとゴミという基本的衛生問題の解消に全力を挙げてもらいたいものだ。

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