日本エネルギー会議

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東電宝くじ

 「東電宝くじ」という言葉を最近耳にした。「東電宝くじ」とは、福島第一原発の事故で避難している人たちに対し、県内の避難先の住民たちが、「あの人たちは東電宝くじに当たったから」という具合に使っている。避難が長くなって、当初、同情をかっていた避難者だが、賠償とさまざまな優遇処置によって働かずに暮らしていることを知った住民たちが、強い嫉妬心を抱くようになったのだ。
 警戒区域から避難している人は、精神的苦痛損害として毎月一人10万円が支払われている。先ごろはこれが一年分まとめて振り込まれたため一人120万円を手にしている。四人家族ともなれば、ちょっとした宝くじに思えるだろう。今後、東京電力は区域再編が決まれば、何年か分をまとめて支払う予定だ。それとは別に土地や家屋の賠償を受ける人たちは今年中に数百万円から数千万円を受け取る可能性が高い。
 避難者が免除されているものとしては、医療費の個人負担、高速道路料金、家賃(仮設住宅はもちろん、民間借り上げ住宅も月6万円までは補助がある)がある。税金に関しても免除ではないが、納入期限を延期されているから、避難してから税金を支払っている人は少ない。そのほか、東京電力は避難生活のための家電製品などの購入代金を賠償として認めているので、多くの家電製品が買われているはずだ。
 食料品や光熱費は自分持ちであるが、職を失っていない人(富岡町のデータでは以前働いていた人の半分強が今も働いているが、それで得た収入は自主努力分として就労不能損害から控除されない)や年金生活者は確かに今までより生活に余裕がある。地元のデパートに行っても避難者らしき人をよく見かけるし、デパート側もかつてない売上を記録している。
 パチンコに行った友人が、駐車場でいわきナンバーを見られて、「どこから避難」と聞かれ、「大熊町から」と答えたら「金いっぱいもらっていいご身分だね」と皮肉を言われた。別の人はいつも行っている公衆温泉で、避難者とわかってからは挨拶をしても返事をしてくれなくなったと嘆いていた。いわき市では、仮設住宅に停めてある車へのいたずらが絶えない。建物に「避難者帰れ」との落書きもされた。「避難者であることを知られないように言動に注意する」というのが最近の避難者の合言葉になっている。
 

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