日本エネルギー会議

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第二回住民説明会の様子

 本日、午前午後の二回、郡山市周辺に避難している富岡町住民に対する説明会が、「ビッグパレットふくしま」で開催された。前回の説明会は、昨年9月であったから、およそ半年ぶりだ。説明会は会津若松市、いわき市などで既に終わっており、今後は県外の避難者のところへも行く予定だ。
 私は午前9時から午後1時までの午前の部に参加した。会場には約千人の住民が詰めかけたが、硬い椅子に4時間も座っていただけでかなりの苦痛であった。説明会の構成は、前半が国と町から避難指示区域の見直しについて、後半が東京電力から福島第一原発の現状と収束計画と新しい賠償基準についてであった。
①避難指示区域の再編は避難指示を解くものではなく、除染やインフラ復旧などの作業が容易に行えるように
  区域分けするためのものであること。
②町として、最低5年間は帰還宣言を出さず、線量や福祉や仕事や賠償が問題なく本当に暮らせるようになったかという
  実態で5年後に判断すること、それまでは区域にもよるが今までより立ち入りが容易に出来るようにすること。
③帰還困難区域の財物賠償は100パーセント、その他の区域はその6分の5として、解除が延びればそれに応じて
  6分の1を追加する。といった内容の町から説明があった。町の説明は資料を棒読みすることが多く、
  聞いているのが退屈なものだった。

 住民からは、除染の効果に対する疑問、帰還困難区域は除染やインフラの復旧が後回しにされることへの不満、5年先に判断するというのでは、それまで宙に浮いた生活になること、アンケート調査では「帰還する」が15パーセントしかないこと、今の賠償では別の地に新たに家を確保できないことなどの意見や改善要望が出された。質問に立った住民の不満は、町長や議会議長ではなく、主に国の審議官などに向けられていた。住むところの自由を奪ったのは憲法違反ではないか、などと迫った人がいたが、各地で開かれる説明会に複数回参加しているようだった。時間がなくなると、配布された「ご意見用紙」に書いて出して欲しいと質疑が打ち切りとなった。大きな声を出す人は今回も同じで、固定化されてしまった。

 後半の東京電力の説明が始まると、国や町の人たちは一斉に引き上げてしまったが、住民の気持ちとしては同席してもらいたかったところだ。東京電力の説明が始まると、参加者の約3分の1が帰ってしまった。内容が前回説明とほとんど変わらなかったこともあるが、住民の一人は東京電力向かって、「皆帰ってしまったのは、それだけ東京電力が信用されていない証ではないか」と発言した。福島原発の現状説明に対しては、大量の地下水の問題を心配する声があがった。東京電力は使用済燃料やデブリを今後どのようにするか、どこに置くかについては、触れず終いであったが、これが意図的であったのかはわからない。
 「本日、どうして社長が出てこないのか」「東京電力の対面窓口相談に指導を受けて請求を出すと、本社で支払いを拒否されるのはおかしい」「何故、福島復興本社が出来たのに、こちらで全部出来ないのか」「精神的損害に対する賠償が不足」「コールセンターの担当者に『あなたたちには損はさせていませんよね』と言われて悔しかった」「償却式などでやれば古い商売道具や在庫品は、全部タダ同然の賠償額になる。これでは商売が再開出来ない」などの意見や要望が相次いだ。中には、東京電力が今日、この会場に石崎代表の他に何十人も来る必要があるのか。そんなに人が余っているのなら、除染の手伝いでもして欲しいなどという声もあった。石崎代表は「私は福島第二原発の所長の三年間は、富岡町に暮らした経験があり、この町が好きだ。それだけに申し訳ない気持ちでいっぱいだ。引退後は富岡町に住むつもりだ」とも語った。
 東京電力の説明も質疑は時間切れとなったが、町とちがってこちらは質問用紙やアンケート用紙は配られなかった。質問出来なかった人はどうするかについても説明がなかった。このあたりの配慮が足りないのは、独占企業の体質なのかも知れない。

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