日本エネルギー会議

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支援体制

 東京電力の福島復興本社が広野町のJヴィレッジにオープンし、活動を開始した。福島第一原発の事故の収束作業、賠償、除染に当たるとともに、地元の復興を支援する目的としている。副社長をトップに現地に3500人の体制を整えた。特定原子力施設に指定された福島第一原発を管理するためにも好ましい。
 だが、東京電力が福島に本社機能の一部を移管するのは少なくとも2年遅かった。福島原発から20キロのJヴィレッジに拠点があれば、事故対応は相当に違っていたはずだ。テレビ会議のビデオが公開される度に、250キロ離れた新橋の本店と福島第一原発の免震棟の吉田所長のちぐはぐなやり取りに心が痛む。
 関西電力は原子力事業本部を福井県美方郡美浜町に置いている。この本部には企画、発電、技術、燃料の四部門(従来大阪市中之島の本社ビル内にあった)と原子力工事センター、環境モニタリングセンター、PRセンターがある。ここで美浜、大飯、高浜の三原発を管理している。美浜原発は同町内にあり、大飯、高浜も数十キロである。これなら事故時の支援も十分に可能だ。ただ、関西電力が美浜町に原子力事業本部を持ってきたのは、地元から経済振興のための強い要請という背景もあった。日本原燃は六ケ所村に社長がいるから、この点は最もよく出来ている。
 原子力規制委員会は自治体に対して防災計画作成を促しているが、電力会社そのものの原発の事故時支援体制も重要な課題のはずだ。北海道から九州まで各地の原発は各電力会社の原子力管理部門のある本店や原子炉メーカーの工場などから、どのくらい離れているか。また、アクセスはどうなのだろうか。一番距離のあるのは東京にある日本原電の本社と敦賀原発で、約500キロある。
 事故時には対応検討するにも、現地で作業をするにも、メーカーや工事会社の支援が不可欠だ。日本では、運転こそ電力会社がやっているが、メンテナンスはメーカーや工事会社への依存度が高い。それは今回の事故でも身にしみて判ったはずだ。かつて北海道や九州ではメーカーの主力工場から遠いために、現地の技術者の確保に苦労していた。
 電力会社同士の支援体制が重要であることも、今回の東北電力の支援の状況を見ればわかる。原発事故の対応には経験豊かな実務能力のある技術者を大量に必要とする。炉型が異なると対応範囲が限られるので、BWRとPWRの二つのチームが必要だ。アメリカなど外国との支援関係も大事だが、まず足元を固める必要がある。

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