日本エネルギー会議

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目の前にある危機

 原子力規制委員会は、関西電力大飯原発の地層調査を追加して実施することになった。
引き続き敦賀、志賀、東通、もんじゅなどの原発も調査が進むことになる。
各自治体は新たに30キロ圏内に入ったところも含めて防災計画を作成しはじめた。
原子力規制委員会の最も重要なミッションである新安全基準成案は来年の7月を目途としている。
電力会社はこれを待たずに、福島第一原発の事故原因や対応が困難であったことがらについて
自主的に改善工事を進めているが、原子力規制委員会の結論によっては、さらなる工事も必要となる。
また、原子力規制委員会は使用済燃料の炉からの取り出しと、ドライキャスクによる保管を求めている。
 原子力産業界は日本原子力技術協会を原子力安全推進協会に衣替えし、各電力から改善勧告に
対して誠実に取り組むとの誓約書を取り付けた。電力会社はこれに対しても出来る限り早く対応を
取らねばならない。なかには費用と時間の掛かるものが多いと思われる。こうした工事はあるものの、
原発が何年も停止していることによる原発立地地域への経済的ダメージは相当なものだろう。
 各電力会社は供給力確保のため、新鋭火力発電所建設に踏み切り、東京都など自治体や大手企業
も火力発電所建設を計画している。それとともに燃料費を下げるために、商社も参加して天然ガスの
安定した購入が出来るように、アメリカ発のシェールガスも視野に入れて模索を開始した。
メガソーラーも各地で建設が始まっている。
 こうした動きがあるが、それらが電気を供給しはじめるのは早くて数年後になる。
そして、ここ10年ほど、日本国内は極めて高い停電のリスクにさらされる。それと同時に、電力会社の
電気料金値上げが全国に波及し、かなり深刻な民間企業や家計への影響が出ることが予想される。
総選挙で各政党は脱原発に関してさまざまなことを言っているが、電力供給が安定するまでの間の
リスクをどうするか、電力料金値上げがどこまで行くかについては、ほとんど触れていない。
自民党が公約で原発再稼働について3年以内に決着をつけるとしているくらいだ。
 目の前にある危機に対して誰がどのように考えているのか。直接的に責任のある経済産業省、
電力会社などは、水面下で懸命に対応を検討しているはずだが、メディアの関心が低いこともあって、
その実態は明らかではない。福島第一原発の事故の際に、国民を心配させないことを優先して
「影響はない」発言を繰り返した枝野氏は、再び、国民を心配させないよう発言を謹んでいるようだ。

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