日本エネルギー会議

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福島の復興を阻む人口流出

東日本大震災とそれに続く福島第一原発の事故により大打撃を受けた福島県は、いまだ復興の途についたとは
言えない状況だ。その復興を阻むものは、人口流出であり、除染や支援の遅れである。
その背後には国の出す情報への不信感がある。
人口200万人の福島県は3.11以降、一年半で61000人の人口を減らした。
内訳は死亡数が出生数を上回ったことによるマイナス15000人、県外からの転入を県外への転出が上回った
ことによるマイナス46000人である。転出超過人数は福島県が全国1位だ。
これを福島第一原発がある双葉郡を中心とする相双管内で見ると、やはりこの一年半で、人口が1万人減っている。
これについても内訳を示せば、死亡数が出生数を上回ったことによるマイナス3000人、県外からの転入を
県外への転出が上回ったことによるマイナス7000人である。(この場合の転出は住民票を県外に移してしまったということになる)このところ出生数は変わらないが、死亡者数が急増していることも特徴的だが、
両親が小さな子供を連れて県外に移住したことの影響が大きい。相双管内では、県外流出は11000人
であるが、県全体での県外流出は85000人であり、原発周辺だけでなく県内全般で福島県から出ようとする
大きな動きとなっていることがわかる。
事故発生直後の半年間と比較すれば、最近の半年間は県外流出のペースが落ちているとはいえ、
依然として半年間に1万人の流出が続いている。これでは福島県は勤労世代や子供が少なくなり、
復興どころか衰退の一途である。
放射線の健康に与える影響、特に子供に対する影響についての、国から子育て世代への説明は
成功していない。(ほとんど行われていないのではないか)高齢者も帰還後、孫が遊びに来てくれなくなることを
心配している。南相馬市の例では、子供の数が少ないため、小学校の学級人数が少なく、
入学予定の子供を持つ親が、父親を単身赴任させ、あえて母親と子供が人口の多い郡山方面に移住する
といった負の連鎖が起きている。
いったん移住先の小学校に入学すれば、高校まではそのままだろう。ICRPの勧告に反して、放射線被ばくの
リスクよりはるかに高い、移住や父親との別居のリスクを子育て世代は選択してしまっている。
国、県が、このゆゆしき問題を取り上げようとしないのは何故だろうか。

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