日本エネルギー会議

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何故、いわき市が人気か

先月から、富岡町や大熊町は大玉村や会津若松にある仮設住宅を解体し、いわき市内に移築し始めた。それら仮設住宅の入居率が4割程度しかなく、仮設住宅に入っている人々からも、いわき市に移りたいとの希望が多いからだ。新たに、いわき市に仮設住宅を造るより、解体移設した方が費用は安いという。
今年7月に富岡町が住民を対象に行ったアンケートでは、半数が町に戻る意思を示し、「災害公営住宅に居住し帰れるまで待つ」と回答した。待つ間を過ごす候補地にいわき市周辺を希望して人は63%に上った。町は調査結果を基に「仮の町」を検討するとしている。
 何故、いわき市がそんなに人気なのか。最大の理由は気候だ。昨日の気温を新聞で見ると、会津若松市の最高気温が35.7度、最低気温が20.3度。福島市が同じく35.9度に24.0度。対して、いわき市小名浜は最高気温29.1度、最低気温 22.6度だ。最高気温が6度以上も低いのに最低気温は逆に2度も高い。先日、いわき市に避難している友人を訪ねたが、陽射しは強くても浜風が涼しいのには驚いた。友人の借り上げアパートにはエアコンは設置されていたが、網戸だけで十分だと言っていた。福島市や郡山市がある中通りは、東京都心並みの暑さだ。浜通り地域は、夏は浜風が涼しく、冬は山が雪を防ぎ、海流のお蔭で温暖である。避難する前、12年ばかりを過ごした富岡町の私の家も、エアコンは設置していない。浜通りから会津や中通りに避難した高齢者は、暑さ寒さに体の不調を訴えている。
 いわき市は福島県内で最も人口の多い都市であり、商業施設、病院などもたくさんある。大熊町や富岡町のある双葉郡からは、車で40分から1時間弱のところなので、休日の買い物やレジャーには、普段からよく行っており、馴染みがある。逆に、中通りや会津にはめったに行かずに生活していた。常磐線でいわき市の高校に通学する高校生も多く、いわき市には高専や大学もある。こうした点も双葉郡から避難している人たちに人気のある理由だ。
避難していても自分の家がどうなっているのかは絶えず心配だ。一時帰宅で戻る場合にも、いわき市なら双葉郡へは山を越さずに海岸沿いの国道6号線や常磐高速道ですぐに行ける。
 今、いわき市では住宅地や家を求める避難者が多く、物件は極端に不足し、価格は高騰している。いわき市長は、上下水道などインフラ整備に巨額の費用がかかるとして、市内に仮の町をつくることには難色を示しているが、分散して居住するなら受け入れると表明している。国や県は、避難住民や受け入れる側のいわき市の声をよく聞いて、適切な支援をすることが必要だ。

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