日本エネルギー会議

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事故対策のパッケージ

民間事故調、国会事故調、政府事故調と福島第一原発の事故に関する報告書が揃った。このほかにも東京電力、日本原子力技術協会の報告書などもある。学会も調査を始めたからそのうち報告がまとまるはずだ。
どの報告書にも、「何が起きたか」「その原因は何か」「再発防止のために今後、何を成すべきか」ということが書かれている。責任追求を別とすれば、「何が起きたか」「その原因は何か」は、最後の「今後何をなすべきか」を導き出すためのものと考えられなくもない。いずれの報告書も最終章で、「教訓」や「提言」として、現在不足しているものを充実させることを求めている。不足しているもののほとんどは「備え」と言い換えることも出来る。「備え」をすることイコール「対策」をすることだ。
最も大胆な対策は、エネルギー不足などのリスクを犯しても、原発そのものを止めてしまうこと。だが、どの報告書もそのことは触れていない。したがってどのくらいの規模かは別にして、今後とも原発の存在を前提とした対策を報告書は述べている。東電の体質を問題にして、このような企業は原発を運営するべきではないと書いていても、日本は原発を持つ資格はないとまでは書いていない。
さて、対策は日本の社会のあり方、原子力の推進と規制のあり方、原子力防災の内容、原発事故発生時の対応能力、原発の設計や設備運用など大きな項目に中項目、小項目が続いている。また、横にも教育や地方自治などに関連が広がっていて、さらには時間的にもすぐ達成出来るもの、永久的な努力が求められるものなど多岐にわたっている。いわば、対策はすべてが盛り込まれたバッケージとして存在している。これを達成していくためには、パッケージのどの部分が先行し、どの部分が遅れているか、何が解決のネックとなっているかなど全体を見渡し、管理する監視人が必要だ。その監視人は少なくとも数十年は必要となるが、それは国会そのものでしかない。

2012.8.1
北村 俊郎

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