日本エネルギー会議

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「原発推進者の無念」の著者が原発事故1周年後の心境を語る その12

政府は大飯原発の再稼働に合わせて副大臣をサイトに常駐させる。こんな措置を誰が考えたのか。官僚かそれとも政治家か。麻生首相の「郵政民営化見直し発言」に対し、小泉元首相が「怒るというより、笑っちゃうくらい。ただただあきれている。」といったが、副大臣を常駐させることで、安全性が増すと政府が考えているのだとすると、これまた「わらっちゃう」と言わざるを得ない。
 いままでも、事故があると現場にヘルメット姿で現れる自治体の首長がニュース映像で流されると、あれは完全な住民向けのパーフォーマンスと思えたが、事故も起きていないのに副大臣常駐とは形式主義の極みだ。
それより先に事故対応に必要な技術者の拘束、情報網の整備などやることがあるはず。海抜2メートルのオフサイトセンターはすぐに髙台に移設すべきだ。
一方、地元福井県はこれまで立地自治体としては原子力の技術面で飛びぬけて先進的である。敦賀や美浜に原発が建設された時代から、国立大学の原子力工学科卒を職員として県庁に採用し、原子力安全対策課に貼り付ける。それを今日まで延々とやってきた。そんな努力をしてきたのは全国でも福井県だけであり、今やその技術的蓄積は国の規制当局もたじたじのものとなっている。電力会社からは実質的な二重規制と迷惑がられてきたが、ここに来て、地元の市町村からは頼りにされる存在だ。国と電力会社の癒着に楔を打ち込み、緊張感をもたらすという効果も従来からあった。大飯原発再稼働に際して、福井県そのものが実質的なチェック能力を備えていたことは不思議な巡り合わせとしか思えない。

2012.6.4
北村 俊郎

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