日本エネルギー会議

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核攻撃のリスク

 北朝鮮の核や化学兵器搭載ミサイルが日本に飛んでくる可能性が高まっている。米中韓日で緊急の協議が行われ、国内でも戦争となった場合にどのように安全を確保するかなどメディアでも今までになく具体的な話がされている。
 ミサイルの標的はとりあえず米軍基地やイージス艦と言われているが、東京など大都市も大いに標的となる。では原発は標的となるだろうか。北朝鮮には原発はないが、韓国や日本の海岸線には多くの原発や使用済み燃料の貯蔵施設があり潜水艦発射であれば短距離のミサイルでも攻撃が可能だ。
 その距離からして迎撃は極めて難しいだろう。陸上発射の中距離ミサイルにしても各原発に配置するほどの数の迎撃ミサイルを日本は持っていない。
 韓国の場合は原発が電力供給に大きな割合を占めているため、原発が攻撃をうければたちまち停電となるが、日本の場合はほとんどの原発が停止しているため停電にはつながりにくい。使用済み燃料貯蔵施設は破壊される恐れがあるが、原子炉まわりは強固に作られており簡単に破壊されるとは考え難いが、原発が核爆弾による放射能や化学物質に汚染された場合、近づけなくなることが一番困る。
 爆撃を受けた場合、運転中の原子炉は直ちに自動停止して冷却が開始されるが送電鉄塔が倒れるので外部電源は失われる。内部電源による冷却も外に出ている非常用ディーゼル発電機の排気筒や重油タンクなどの附属施設が破壊されることで使えなくなる。
 移動式の電源も外に置いてあるため破壊されたり運転員が近づけなくなる可能性がある。そうなれば過酷事故に至るのは時間の問題だ。1機でも過酷事故になれば、同じサイトの他の号機に影響を及ぼすのは福島第一原発の事故で経験済みだ。使用済み燃料を貯蔵している各原発の燃料プールにしても冷却のための循環が止まればいずれ温度が上昇してくる。
 新規制基準による審査では欧米のテロ対策を手本とした対策がされていることが確認されているはずだが、それらはミサイル攻撃に原子炉などが物理的に耐えられるか、中央制御室以外で停止操作が出来るかなどであり、実際に弾頭付きのミサイル攻撃があった場合に事故対応にあたる人が現場に近づけなくなることは想定していないと思われ、結局はメルトダウンしてしまうのではないかと心配だ。

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