日本エネルギー会議

  • 設立趣旨
  • お問合せ

予備自衛官

 予備自衛官という制度があるのをご存知か。私は雑誌「選択」の記事で知ったのだが、日本にも60年も前に作られ自衛官の人数を抑制するかわりに必要な時に招集する予備役のような制度がある。
 大規模な災害や有事に招集される予備自衛官は、自衛官ОBが対象で、普段は会社勤めや自営業をしている。定員は4万7千人で、自衛隊員の定員24万人に対しては6分の1程度だ。有事の際も任務は戦闘ではなく後方の警備で、2001年に調理や語学など独自技能を持った人を対象とするものも追加された。年間に訓練のための招集が5日間義務付けられているだけで、月に4千円の手当が支給されている。
 これとは別に定員8千人の即応予備自衛官という制度があり、月に手当は1万6千円、招集訓練は年間30日、その際の日当は1万4千円だ。任務は自衛官に準じたものとなる。予備自衛官も即応予備自衛官も現在、定員充足度は半分程度だ。
 初の招集命令は東日本大震災の時に出され、昨年の熊本地震にも出された実績を持つ。実際に招集命令が出たが、そのときかなりの割合で招集に応じられない実態も明らかになって「何のために手当を支給しているのか」と大きな課題となっている。
 原発に関しても事故対応のためにメーカーなどの退職者を対象に予備要員制度をつくっておいてはどうか。電力会社は運転操作業務が中心で、事故の現場対応は子会社やメーカーの下請けに依存せざるを得ない。
 危険な作業であり作業員やその家族も避難対象となるため日頃から要員の確保は頭が痛い。福島第一原発の事故の際は、従来からの請負関係の中で電力会社、メーカーからの要請を受けるというかたちで下請け企業やその従業員が自主的に協力してくれたが、今後も彼らのボランティア精神に頼るのでは心配だ。
 電力会社では事故の際には社内の他の原発からの応援を要請するほか、電力会社間で応援をする方向だが、会社の垣根を越えて事故訓練や定期検査時にもっと大人数の派遣をしてみてはどうか。
 訓練センターでのシミュレーターを使った運転員の訓練において他社の運転員との混成チームによる訓練は「上には上がいるものだ」と認識させるなど、いろいろな意味で効果的であることがわかっている。電力会社だけでなく、原子力規制庁、環境省なども事故時に線量測定要員などが不足する。この点も備えをしておくべきだ。
 各自治体においても避難計画に基づく避難は役場、警察、消防、病院なども現役の職員だけでは手に余る。退職者を中心に予備要員を確保しておくことを考えてはどうか。

  • データベース室
  • エネルギーとは?
  • 世界と日本のエネルギー
  • 原子力の論点
  • 放射線と健康