日本エネルギー会議

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地域の財源をどうするか(3)

 東日本大震災と原発事故により全住民が避難した福島県浜通り地域では、避難区域の指定解除が相次いでいるが、これから住民サービスのための町村の財源不足が大きな問題だ。
 これまで、放射性廃棄物などへの課税、メガソーラーの設置運営による長期の財源確保について述べたが、今回は地域産業の復活あるいは誘致企業などからの税収を財源にするというオーソドックスな案を示したい。
 帰還する人は高齢者ばかり。その高齢者は若い頃から農業、林業、水産業に従事していた人が多い。
 これらの業種は出荷制限が解かれても風評被害があるために当面流通販売面での苦戦が続くと予想される。
 いずれにしても原発事故の避難から6年間も経過しており、当時65歳であったとしても今は71歳になっている。健康であっても体力的には相当きついはずだ。そこで、戻ってくる高齢者が行う農業や林業を最先端技術を使って支援する。
 農林業に関して、全国でロボットやドローンによる省力化が試みられているが浜通り地域でも積極的にこうした取り組みを行うことで、ベンチャー企業や若い開発技術者を呼び込み、高齢者とともに農林業を再生させることが出来ると考える。
 そうすれば、未帰還の農地も買収あるいは賃貸することで黒字につながる規模への拡大も可能だ。また前回提案したソーラーパネルの下で野菜などの栽培をするいわゆるソーラーシェアリングをすることで売電収入を加えることが出来るため、高齢者であっても農業の黒字化を実現出来そうだ。
 林業においては間伐材や竹林によるバイオマス発電事業が有望である。除染が行われない山林は手入れをする必要があり、これによる間伐材をバイオマス発電の燃料にすることが一石二鳥だ。最近、日立が成長の早い竹によるバイオマス発電技術の開発を成功させたというニュースもある。
 通常の間伐より多くの資源として期待できる。ただしこの地域では煙突で放射能測定と放射性物質の捕捉装置が必要となるので、政府からの補助金をつけるべきだ。
 山林はそのままにしておけば落ち葉などが堆積し、雨により放射能が下流に流れ拡散してしまうが、集めてバイオマス発電をすることで捕捉し管理することが出来るというメリットもある。長期に操業することで困難な山林の除染と同じ効果が見込め一石二鳥だ。
 今の高齢者が本当に働けなくなっても、避難先には次の世代の高齢者予備軍が数多く存在している。彼らも子育てが終わり避難先での今の仕事をリタイアーすれば親から譲り受けた土地で農林業が出来る。

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