日本エネルギー会議

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困難な課題を解くヒント

 放射性廃棄物の処分場探しなどの困難な問題を解く場合、同様の問題を解決出来た事例にヒントがある。福島第一原発の事故の後、福島県では地域の除染で出た大量の放射性廃棄物を30年間保管後、県外に搬出するという条件で大熊町と双葉町に中間貯蔵施設を建設することで地元の合意が得られている。この事例を見ると、いくつかの条件があっての合意だということがわかる。

(1) 受け入れる大義名分があった。原発事故の影響から福島県を復興させるためには大量の汚染土壌を仮置き場から出来るだけ早く除去する必要があり、どこかが犠牲にならなくてはならない。今まで原発立地町村が原発を誘致し一番のメリットを受けており、その責任を感じて周辺の自治体の復興に貢献しなくてはならないという気持ちがあった。

(2)永久ではなく30年という期限をつけ最終処分地にはならないことを国が約束したこと。若い世代は生きているうちに確認出来る。大熊町双葉町はほぼ全域が帰還困難区域でまだしばらく帰還出来そうもないこと。

(3)外から十分に状況が監視出来る状況で貯蔵出来ること。

(4)候補地が事故を起こして廃炉中の原発の周辺で今後共使いにくい土地であること。

(5)ある程度浅いところで再び移動が容易である形にしていること。また、土壌の搬出再利用のための分別、減容などの技術開発も行うこと。

(6)地権者に十分な補償があること。また、売買だけでなく賃貸などの選択が可能であること。

(7)地元自治体に十分な財政的なメリットがあること。

(8)大熊町双葉町2町だけでなく周辺の自治体の住民も廃棄物の中身・形状や放射能の強さ、環境影響について理解していること。

 これらの条件の中で重要かつ難しいのが(1)の大義名分だ。韓国では中低レベルの放射性廃棄物の最終処分場探しにあたって僧侶が「自分たちの世代の責任を果たそう」と大義を呼びかけて成功した。
 福井県の美浜町では長年の反対派の1人が、美浜原発の廃炉を可能にするため、あえて町に使用済み燃料の中間貯蔵施設を建設することに賛成した。高レベルガラス固化体用の処分場の場合、カードとして国による当該地域の「脱原発宣言」もひとつのやり方ではないか。

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