日本エネルギー会議

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地域の財源をどうするか(2)

 東日本大震災と原発事故により全住民が避難した福島県浜通り地域では、これから住民サービスのための町村の財源不足が大きな問題となる。前回、放射性廃棄物などへの課税による長期の財源確保について述べたが、今回は地域で復活あるいは誘致する企業などからの税収を財源にする案を考えたい。
 その場合、人手不足に対抗するため帰還する可能性の高い男女の高齢者を雇用することが望ましいが、それは可能だろうか。
 今回、帰還する高齢者は若い頃から農業、林業、水産業に従事していた人が多い。これらの業種は出荷制限が解かれても風評被害があるために当面流通販売面での苦戦が続くと予想される。
 いずれにしても原発事故の避難から6年間も経過しており、当時65歳であったとしても今は71歳になっている。健康であっても体力的には相当きついはずだ。フレコンバックを搬出したあとの農地で再び地代収入が入るとすればありがたい話だ。
 誰も戻って使おうとしない農地・放牧地・雑地は町営のメガソーラーとするか土地の提供を斡旋して発電事業者を呼び込むことが考えられる。
 すでに常磐自動車道の富岡インター周辺には3ヶ所のメガソーラーが建設されている。いずれも面積が40万平方メートル程度の広大な農地で、発電能力が20~30MW級の大規模なものだ。これらは町・民間企業・住民によって事業化され、一部が町の収入になるとともに地権者には地代が入る。それにともなって固定資産税、事業税、所得税額にリンクした住民税なども期待出来る。
 富岡町内にある東京電力福島第二原発は停止中だが、メガソーラーによって町は既に全世帯の必要とする以上の電力を作る電力輸出自治体になっている。地域には原発のための大消費地である首都圏への送電線が存在しているため今問題になっている送電抑制問題はこれからも起きない。メガソーラーは平坦な場所での点検保守・警備などの巡視業務があるので高齢者に適した職場となる。
 原発事故で避難を余儀なくされた区域では富岡町のほかでも例外なくメガソーラーが盛んに計画されて実行されつつある。また、楢葉町の沖合には世界最大級の浮体式の洋上風力発電設備(3機)が稼働している。もちろんこの地域にある新地火力(200万キロワット)、原町火力(200万キロワット)、広野火力(440万キロワット)勿来火力(170万キロワット)も震災被害から復興し稼働している。
 原発で潤っていた浜通り地域は、再び電力供給で首都圏を支えながら地域の財源を確保しつつある。        (つづく)

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