日本エネルギー会議

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地域の財源をどうするか(1)

 東日本大震災と原発事故により全住民が避難した福島県浜通り地域では、避難指示が解除されても大半の住民が帰還せず、しかも戻って暮らしたいのは高齢者ばかり。
 これでは復興どころか地域は先細りだ。住民税などの税収は激減し、一方、自治体は当時のままの数の議員、職員がおり、インフラの維持管理、住民の公共サービスを続けなければならない。
 これまでの6年間、自治体は国と県の交付税によって支えられてきたが、その枠組みが外される2022年以降、財源確保をどうするかが深刻な問題となる。
 東京電力の福島復興本社以外にも廃炉工事に参入して事務所などを置く事業者や研究機関などからの税収もある程度は見込めるし、議員や職員の数削減や町村合併も視野にいれての支出削減が行われるが、それでも必要な財源がほとんど期待出来ないため、なんらかの対策を講じなければ軒並み財政破綻自治体になってしまう。
 これを救うために、まず考えられるのが廃炉原発や保管中の放射性廃棄物への課税である。すでに使用済み燃料に対する課税は全国的に行われているが、燃料プールから取り出した燃料、燃料デブリ、保管中の汚染水や放射性瓦礫にいかに課税していくか。
 また、立地自治体でない周辺の町村にもどの程度恩恵を与えるも問題となる。
 大量に積まれている除染土壌が入ったフレコンバッグも見方を変えれば宝の山だ。すでに置き場に提供している農業者などの地主は耕作する以上の貸地料を得ている。
 これが避難先で悠々と生活出来ることに繋がって、どうしても帰還して農業をやろうという意欲に水を注している。彼らの所得は年金のほかに農業の事業損害賠償、貸地料があり、合わせると相当の年収となっている。
 これには所得税が課税されるので、その分は自治体の住民税も増えるが住民票を避難先に移されてはだめだ。
 自治体からすればフレコンバッグも放射性廃棄物であり、所有者が東京電力でなく国であるとしてもそこにも課税したいと考えるかもしれない。
 廃炉工事はこれから40年も続くとされているが、その間、構内に設置する機器や工事そのものを税収に繋げられれば長期に安定した財源となる。
 さらに自主財源として地域で復活あるいは新規誘致する企業などからの税収を期待したい。その場合、たくさん戻ってきている男女の高齢者を雇用することが一番望ましいが、それは可能だろうか。(ここからは次回に)

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