日本エネルギー会議

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電気を量販店で買う時代

 再生可能エネルギーの開発が進むにつれて、その出力の不安定さを補うため火力や原発などいわゆるベースロード電源がバックアップとして必要になり結局二重投資になるという問題が生じている。
 電力会社では再生可能エネルギーの増大が系統に影響を与えないよう大型蓄電池(東北電力など)や蓄電池より寿命が長く耐環境性のよい超伝導フライホイール(中部電力など)などの蓄電装置を変電所に設置して再生可能エネルギーの出力変化を吸収しようという実証実験を行っている。だが、大型蓄電池などの設置をすれば余分なコストが発生してしまう。何か解決策がないのだろうか。
 そこで注目したいのが再生可能エネルギーの自家消費だ。発電コストが電力会社から購入する電気料金を下回れば自家消費が進むはず。特に住宅用の太陽光発電の固定価格での買取り期間は10年間なので、それを過ぎれば自家消費を考える人も増えてくる。
 その場合、家庭用蓄電池を追加設置すれば昼間に発電した電気を貯蔵して夜間に使うことでほぼ電気の自給自足に近づく。太陽光パネルはやや性能は低下するものの実際には20年程度は発電する。太陽光発電設備を持つ人は蓄電地さえ購入すれば10年間は電力会社に支払う電気代がほとんどかからなくなる。
 この自家発電・自家蓄電方式が一戸建て住宅だけでなく、集合住宅や企業向けにも拡大していけば、再生可能エネルギーの導入限界もそれに応じて拡大出来る可能性がある。課題は住宅用蓄電池の価格であるが、日本でも今年になって電池容量4kWhの蓄電池で90万円を切るものが発売され、海外ではさらに安価なものもある。
 これから生産拡大が見込まれる電気自動車の中古蓄電池を再生して住宅用蓄電池として安価に供給される可能性もあり、ここ10年ほどで蓄電装置の進歩が電力供給のあり方を大きく変えると思われる。
 202X年、かなりの数の住宅で電気は電力会社から買うものではなく、白物家電のように量販店から電気を作り貯める設備を購入して使うようになる日が来ると予言しておく。電力会社がこれを指をくわえて見ているようでは、NTTが膨大な数の電柱と通信用ケーブル、公衆電話などの維持管理の負担を抱えながら、携帯電話会社やインターネット企業に顧客を奪われたように存在感を失っていくしかない。

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