日本エネルギー会議

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必要な再評価(2)

 事業の現状を正しく評価しておく必要性は、今や電力会社、原子炉メーカーなど原子力産業に関わる企業すべてに共通する問題だ。電力会社などの資産や事業性が再評価されずに表に出てこないのは何故か。表に出るどころか原子力部門以外の部門では東京電力や東芝のように突然のニュースに 社内で何が起きているのかまったくわからないといった場合も多い。それだけ原子力部門が会社の中で特別なところだということだ。
 何故、自主的に再評価しないのか、出来ないのか。共通している理由を挙げて見ると
 (1) 再評価の結果が見えているので怖くていまさら再評価、情報開示は出来ない。
再評価結果に対して対策が単独では出来そうもないことを知っている。
 (2) 経理部門、監査部門は独立性に乏しく原子力部門や経営陣の意向に逆らえない。保身のため指示待ちに徹している。
 (3) 長年付き合ってきた監査法人や大株主を味方につけている。監査法人も会社の意向に従ってきたために、いまさら指摘出来ない。また、問題が表面化すれば、監査法人自体がピンチになる。
 (4) 経営陣は自分の在任中はやりたくないことであり、先送りを続けるしかない。(これは大津波の警告に対して対策をやり過ごした経過と同じ) 業界共通の問題ではあるが、業界のことを考えると自分のところが最初にやるわけにはいかない。また、現世代だけでなく過去の世代の経営責任も問われることになり耐え難い。
 (5) 今公表している評価がすべて前提となって経営計画が作られている。もし、この前提を変えるとすれば、子会社、系列会社、主要取引先に多大な影響を与える。支持してくれる政治家、役所、団体、組織などに大きな迷惑となる。
 (6) 電力会社は電力のほとんどを供給しており公共性が高いので、再評価結果を公開をすれば電力会社の安定供給に対する社会不安を招いてしまう。これは国も困ることになる。再評価しなくても原発の再稼働などいくつかをクリアーすれば財務上は依然として先延ばし可能である。 
 (7) 国の原発推進の方針があり、勝手な行動をして国の支援や救済を受けられなくなると困る。国が廃炉にした場合の救済措置などをしっかり約束してくれるまでは再評価は出来ない。
 (8) 今でも下がりつつある株価が再評価結果の公開で凋落してしまい、資金確保が今後難しくなる可能性がある。金融機関など機関投資家の株主が大多数であるため、総会で再評価議案が出ても否決が可能。普段から労働組合やメディアも味方につけてある。

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