日本エネルギー会議

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責任の取り方

報道によれば、もんじゅの廃炉が決まったことを受け、松野文部科学大臣は8月の就任時から5カ月分の大臣給与と賞与合わせて66万円を自主返納する。松野大臣は、廃炉決定後の会見で自主返納の理由を「運転停止が長期におよび、結果として多額の国費を投入したにもかかわらず、当初期待の成果に届かなかった」と説明。「事実を重く受け止め、政策責任者の結果責任へのけじめとして自主返納を決めた」と語った。一方、もんじゅを運営する日本原子力研究開発機構の児玉理事長もこの日、給与の10%の6カ月分にあたる約66万円を自主返納することを明らかにした。

責任を取るとはどういうことか。もんじゅに使った1兆円に対して66万円という金額はいささか不釣り合いだが、この二人だけの責任でないことは明らかだ。歴代の大臣と理事長、それに文科省の官僚も返納しないとバランスが取れないが、二人が代表して責任を取ったと言うのかもしれない。豊洲市場問題で小池都知事が過去に遡って責任追求し、懲戒処分もするとし、市場長を更迭。退職金の返還も求め、自らも減給したことに影響されたとも思える。

もんじゅの建設運転を含めた原子力政策は政府、国会が承認したものだけに、官僚をはじめ現地の担当者に至るまで広く責任が分散されている。もっぱら原子力政策を扱ってきた原子力委員会がこれに関して声明を出さないのもおかしい。プロジェクトの失敗の原因は管理者の能力不足と判断が甘かったことであり、一般的にはトップが職を辞することで幕を曳くのが普通だ。それをせず66万円の返納で済ませるのはいかがなものか。もんじゅの廃炉を引き続き日本原子力研究開発機構がやることに福井県知事が不満を抱くのも尤もだ。

もんじゅ廃炉の発表から一夜明けて、もんじゅ構内で青砥所長が職員や協力会社、メーカーの従業員ら約450人に訓示。「もんじゅに勤務する者、この技術に長く携わってきた者にとって真に断腸の思い」と述べ、「廃炉になった要因の多くは、私たちの組織にあることを肝に銘じ、決して忘れてはならない」と訴えたとの報道があった。アメリカでは関係者を訴追しないかわりに原因などについて事実を告白する司法取引が行われるが、もんじゅの関係者にとって何よりも大切なことは、青砥所長のように後の世代に役立つよう事実を率直に語ることであろう。

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