日本エネルギー会議

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さくらモール

月曜日、富岡町の我が家へ今年最後の一時立ち入りを行った。避難先の須賀川市からは高速道路を使用しても片道二時間かかる。家はもとのままで、庭は東京電力のボランティアによる草刈が完了していた。ご近所は一時立ち入りしたような様子はなく、防災無線の放送だけが頻繁に聞こえる。内容は「ゴミの分別を」「猪などに注意。見かけたら役場に連絡」「区域内滞在は制限時間まで」など。
前回まではフレコンバッグを詰んだダンプカーがさかんに往来していたが、すでに仮置き場はどこも満杯になっており、我が家の近くではダンプカーはほとんど走らなくなっていた。家の内外を見回った後、伸び放題になっていたツツジ数十本の剪定をして滞在時間二時間ほどで帰還困難区域から退出。本日の被ばく線量は2マイクロシーベルト。除染はしていないが、1年前と比較して半分近くに下がっている。

冬枯れの庭 ほとんどが落葉樹なので、春は新芽が美しく秋の紅葉も綺麗。
避難中にあっという間に虫が入り枯れたので倒してしまったメグスリノキの大木。
手前の赤い色はツツジ。右奥のみどり色は琉球アセミ

せっかく富岡町まで来たので、先日からニュースや町の広報で紹介のあった新しく開店した商業施設まで行ってみた。我が家からは車で数分。元の富岡駅近くの国道6号線沿いの元スーパーマーケットの跡地に「さくらモールとみおか」として完成し、一部の店舗が営業していた。開いているのは9時半から午後の6時まで。

営業していたのは、ホームセンターとフードコートで、中心となるスーパーはまだ準備中。それでも何人かの客はいる。午後1時過ぎではあったがフードコートの定食屋とラーメン屋は営業しており、そこにも客が数組食事を採っていた。持ち帰りの弁当や惣菜は売り切れていた。住民の帰還は来年4月以降なので、現在は避難先から一時立ち入りした住民や帰還準備のため試験的に自宅に宿泊している人がこの商業施設の利用対象者であるが、その数はまだまだほんの少数だ。

国道6号線はあいかわらず、ひっきりなしに工事車両などが通行しており、昼間は除染作業員、インフラ復興工事従事者、自治体の職員なども町内に大勢いる。モールの客の大半はこれら復興関係者と思われる。また、ホームセンターはすでに区域解除され帰還者の多い広野町、楢葉町、川内村にはないので、そこから買い物に来ていると考えられる。富岡町の商業施設は原発事故以前から双葉郡の町村の中核的存在であったが、再びそのような地位を得つつある。周辺の町村では震災後に出来た商業施設はモールに客を取られ、新たな商業施設は進出が抑制されると予想される。
 モールのすぐ近くには復興公営住宅(平屋40戸、二階建て10戸)が来年4月完成を目指して建設中だった。現在入居者を募集中で内覧会にも180人が来たということだ。これらの住宅は東日本大震災で津波が遡上して家屋が流出した場所の近くなので、再び大津波が襲ってきた際には危険な場所と思われた。町役場にその点を問い合わせると、万一の場合はすぐに避難をしてもらうということにしているとの返事があったが、住宅は川に面しており、津波の遡上は防潮堤のかさ上げなども効果がないためやや心配なところだ。

建設中の富岡町内の復興公営住宅第一弾 写真の正面が海の方向、左はすぐに富岡川の堤防。

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