日本エネルギー会議

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費用負担を逃れる方法

経済産業省の委員会は、原発事故の賠償金や電力会社が原発早期廃炉を決めた場合に生じる費用の一部を、原発を所有しない新電力にも負担させるなどの提言案をまとめた。来年度から送電網の使用料を通じて全国の消費者に負担させる政策をとる。本日付けの宮崎日日新聞は社説でこのことを「消費者への転嫁は筋違いだ」と指摘、事故を起こした東京電力や原発を所有する電力会社への露骨な支援策であり、電力市場の全面自由化の流れに逆行し、市場をゆがめる政策は受け入れがたいとしている。この件に関しては、他のメディアの論調も異口同音だ。
 
電気は日常生活や生産活動になくてはならないもの。決められたら消費者は払わないわけにはいかない。官僚が各方面から反発がこないよう、一般家庭まで広く薄く負担させる巧妙なやり方で自分たちの政策の誤りのツケを転嫁しようとするのは実に忌々しい。消費者の代表を含めない非公開の会議でこれを決めるのは納得できないと宮崎日日の社説が主張するのも尤もだ。
これを逃れる方法はないかと探していたところ、同じ日に「スマートジャパン」というインターネットサイトで興味ある記事を見つけた。積水化学が太陽光発電システム、京セラと共同開発した新型家庭用蓄電池、電気自動車を組み合わせ、年間を通じてどこからも電気を供給してもらわなくても生活していけるエネルギー自給率100%、「電力不安ゼロ」のセキスイハイムを来年1月から発売するという記事だ。
 
新型蓄電池12kWhの導入でエネルギー自給率は91%、残りの9%は日産の電気自動車リーフの蓄電池30kWhでカバーする。家本体も窓を三重サッシにしてあり、冷暖房のエネルギー消費を17%削減できる。(詳細はサイトを参照)http://www.itmedia.co.jp/smartjapan/articles/1612/13/news035.html
 
積水化学のセキスイハイムのように世間に知られた商品で、このようなものが現れたのには驚くが、これさえあれば新旧問わず電力会社から買電することはなく、従って件の賠償金や廃炉費用の負担はしなくとも済む。
課題はこの床面積が50坪のセキスイハイムの建設費が坪80万円で、総工費4000万円と少々家が大きくて価格が高いことと、車を電気自動車にしなくてはならないことだ。これで光熱費が一切かからず、この先電気代がいくら上がろうとも関係ない。とは言え家を新築する際に予算が通常より1000万円多くかかるのは厳しい。床面積が40坪の家ならば3200万円で買いやすくなる。坪単価80万円は高い方ではあるが、最近ではそう珍しくはない。
この蓄電池は新築でない家用にも販売される予定だからすでにソーラーパネルを上げている家にも普及するだろう。そうなれば賠償金や廃炉費用はセキスイハイムや蓄電池を買えない人たちにしわ寄せされてしまう。結論から言えば、福島第一原発の事故による賠償金や廃炉費用で不足する分は、電気代に上乗せするのではなく、税金でカバーするのが一番公平なやり方だということになる。
 
下の写真は蓄電池ユニットで、外形寸法と重量は760×495×525mm、175kg、パワコンは880×580×270mm、55kg。太陽光発電システムの電力を直流のまま充電でき、充電効率は96%。20年間の長期容量保証がある。(スマートジャパンのサイトより)

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