日本エネルギー会議

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表からわかること

下の表から何がわかるかを尋ねると、その立場によって我田引水のコメントが返ってくることが多い。エネルギー問題にコメントする人々は、立場を超えて客観的に事実を確認し、共通認識を持つ必要があるのではないか。そうでなければ最初から実りのある議論は出来ない。

この表を文章で表現すれば次のとおりである。

・福島第一原発の事故が2011年3月に起きたが、我が国の発電電力量(電力需要とほぼ同等)はそれ以前の2007年から減少傾向にあり、2010年から昨年まで連続して下がっており、5年間で12%の減少である。その差1,214億kwは、かつて原発が年間に発電していた量の半分にあたる。

・原発は以前30%弱を供給していたが、福島第一原発の事故があった2011年に半分になり、再稼働が進まないため次の年からほとんど0である。

・火力発電では石炭、LNGによるものは2011年に拡大し、その後はほとんど変わらず。石油火力が原発事故のあおりを受けて一時増加したが、その後は減少傾向が続いている。火力発電は10年間にわたり稼働状況、燃料輸入ともに安定していた。しかし、今後この安定が続くという保証はない。

・再生可能エネルギーは水力発電が変わらないものの太陽光や風力が徐々に増加し合計で15%程度になり、その増加傾向は維持されるとともに、需要が減少しているため、全体に占める割合はより大きくなっている。

・30%近くもあった原発が突然なくなってしまったが、それを火力発電が全部カバーしたのではなく、省エネ・節電と再生可能エネルギーの増加もそれなりに貢献している。

以下はこれらの事実認識からそれほど飛躍しない範囲で考えられるエネルギー政策の考え方である。

・原発が再稼働すれば、その分火力発電の減少につながることが期待出来る。省エネ・節電と再生可能エネルギーと原発はいずれも、我が国のエネルギー安全保障と地球温暖化防止に貢献するとともに、化石燃料の輸入を減らすことで国際収支にも好影響を与えることが出来る。

・再生可能エネルギーが太陽光偏重を克服し、出力が安定的な小水力、バイオマス、洋上風力、地熱が伸びれば、不安定さも少しは緩和される。再生可能エネルギーを伸ばすためには、地域間連携のための電力網の整備、大型蓄電池の設置などを進める必要がある。再生可能エネルギー増加は火力発電の稼働率を下げ、経済性を悪化させるが、それを避けるためにも再生可能エネルギー側での不安定さ解消策を進めていく必要がある。

・石油火力はコストや温暖化ガス抑制のために新たな建設はせずに廃止するべきである。石炭火力なども同じく効率の悪いものは高効率のものに建て替えていく必要がある。

・日本は今でもGNP一単位あたりの使用電力が少ないが、省エネ・節電がエネルギーの安定、環境、安全に最も問題を生じない有効な手段であり、その技術はどの国にも喜んで受け入れられるため、政策として再生可能エネルギーの開発以上に省エネ・節電(工場などにおける再生可能エネルギーによる自家消費を含む)の推進に力を入れることが効果的である。

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