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潮流

日本において再生可能エネルギーでもっとも伸びているのが太陽光発電。固定価格買取り制度によって全国各地でメガソーラーと呼ばれる大型の施設が競い合うように建設されている。再生可能エネルギーの中でも、太陽光発電は「早い」「安い」「旨みがある」の三拍子が揃っているため雨後の筍状態だ。そのため、「景観破壊」「電力系統への接続抑制」「賦課金の過剰な負担」などの問題も生じている。  

図1:固定価格買取制度の前後における再生可能エネルギーの導入量

出典:資源エネルギー庁
太陽光発電の短所は
⑴ 天候に左右され発電量が不安定。特に夜間はゼロ。稼働率は12%程度。
⑵ 発電効率が悪い。気温が高すぎても効率が落ちる。
⑶ 一定の面積が必要。効率が悪いので火力発電や原子力発電に比べて桁違いの広大な土地を必要とする。また、景観が悪くなる。
⑷ 自然災害に弱い。在来の電源に比べ、台風、竜巻、洪水、雷などに弱い。
⑸ 電磁波の問題など未知のリスク
などで、一番の課題は発電量が不安定なことだ。晴れ、曇り、雨の場合に何時頃に発電量が多いかは次の図でわかる。
図2:太陽光発電の一日の出力の変化

出典:資源エネルギー庁
太陽光発電の短所は
⑴天候に左右され発電量が不安定。特に夜間はゼロ。稼働率は12%程度。
⑵発電効率が悪い。気温が高すぎても効率が落ちる。
⑶一定の面積が必要。効率が悪いので火力発電や原子力発電に比べて桁違いの広大な土地を必要とする。また、景観が悪くなる。
⑷自然災害に弱い。在来の電源に比べ、台風、竜巻、洪水、雷などに弱い。
⑸電磁波の問題など未知のリスク
などで、一番の課題は発電量が不安定なことだ。晴れ、曇り、雨の場合に何時頃に発電量が多いかは次の図でわかる。
図3:月別発電量の違い

出典:太陽生活ドットコム
これに対して一日の電力需要の変化は図4である。
図4:一日の電力需要の変化

これらのグラフを比較してみると電力の需要曲線と太陽光発電の出力曲線は似ているが、残念なことに需要はピークが太陽光発電に比べ午後にずれており、さらに夕刻の需要のピークも存在する。雨天の場合には救いがたい乖離が生ずる。需要のないときに大量の電力が発生すると系統混乱を避けるため受け入れを拒否されてしまい、せっかくの電力を無駄にすることになる。また、夜間や太陽光発電が昼間に突然出力低下することに備えて火力発電所などのバックアップが必要となり無駄が多い。春から夏にかけては発電量が多く、秋か冬にかけて少なくなる。夏は昼間の冷房需要があるが、冬の暖房需要への対応は厳しい。

発電量の不安定さに起因する需要とのミスマッチが太陽光発電の最大の短所であるが、これをカバーするための対策は次のようになる。

1.大型蓄電池、フライホイール蓄電装置などをメガソーラー(あるいは変電所)や住宅に設置する。
2.日本列島の中での時差や天候の違いを利用し他の地域と電力の融通をする。このための送電網を強化する。
3.可変型揚水ポンプで揚水式水力発電所のダムに水を揚げる。
4.冷蔵庫や冷凍庫、蓄熱暖房、エコキュートなどで電気を熱に変換し貯蔵する。
5.駐車中の電気自動車の蓄電池に貯める。
6.水素を製造し、水素で貯蔵運搬をして水素自動車の燃料にしたり、発電する。

このような解決方策は将来の夢ではなく、国内外で既にいくつかは実施され始めている。

話題(その1)
アメリカのカリフォルニア州は、再生可能エネルギーによる発電設備の設置拡大に伴い、電力会社に蓄電システムの導入を義務化している。2020年までに33%以上の再生可能エネルギー導入を義務付けられた大手電力会社であるサザンカリフォルニアエジソンは、配電網安定化のため出力2.4MW、容量3.9MWhの大型蓄電システムを設置した。2015年7月のことである。納入したのは日本のNECグループだ。

話題(その2)
今年IEAは、再生可能エネルギーの発電設備が拡大するのに伴って、2015年の電力ネットワークの投資が前年比14%増加したと発表した。その半分は新たなネットワークのためだが、10%は再生可能エネルギーの発電設備をネットワークに統合する分野に使われた。中でも特に伸びているのは電力ネットワークの増強に必要な蓄電池に対する投資で、2010年からの6年間で100倍に拡大した。

話題(その3)
北海道では太陽光発電と同様に風力発電の開発が盛んで、天候で発電量が大きく変わる風力発電が増えると、電力の安定供給に支障が出る可能性がある。北海道電力は今年から、道内で風力発電所を新設する業者に対し、接続上限(36万キロワット)を超えて北電の送配電網に接続する条件として蓄電池の設置を求め始めた。これには風力発電事業者の反発が強く、再生可能エネルギーによる電力を本州に優先して流すように求めている。経済産業省も調査に乗り出した。

話題(その4)
県内から全ての原発をなくすと宣言した福島県は、再生可能エネルギーが急速に拡大中で、太陽光発電や風力発電所が県内各地で続々と運転を開始している。世界最大級の浮体式による洋上風力発電所も楢葉町の沖合に姿を現した。
東京都と福島県はCО2フリーで作る水素の活用に向けて今年5月に基本協定を締結。産総研の協力で福島県で再生可能エネルギーを使って製造した水素を貯蔵、遠距離輸送して2020東京オリンピック・パラリンピックで使う燃料電池システムや燃料電池自動車に供給する計画を進める。

話題(その5)
山梨県と鉄道総合研究所、古河電工などは、超電導技術を駆使し、再生可能エネルギーの発電変動を吸収できる「次世代フライホイール蓄電システム(出力300キロワット)」を開発。県内米倉山で稼働中のメガソーラーと連結し電力系統接続による世界初の実証実験を開始した。フライホイール蓄電システムの軸受けにはリニア新幹線で開発した超電導技術が活用されている。

話題(その6)
 国は固定価格買取制度の対象とならない、自家消費向けの再生可能エネルギーによる発電システム設備の導入に対し、その導入費用の一部を補助する制度を開始した。今年度の予算額は30億円で、自治体(補助対象経費の1/2 以内)、非営利民間団体及び民間事業者(同じく1/3 以内)を対象とする。系統への接続抑制対策の一環として自家消費型の再生可能エネルギー開発を支援する試みだ。

以上の話題でもわかるように、国内外のこうした試みは州や県などの自治体がリードしている。かつて車の排ガス対策でカリフォルニア州が画期的な規制を始め、東京都がディーゼルトラックの規制をしたことなどが想い起こされる。
再生可能エネルギーにとっては高いハードルが与えられたと言えるが、排ガス問題を振り返った時、そのハードルがメーカーの性能や経済性の向上を促したことも忘れてはならない。グーグル、アップル、フェイスブックなど世界的IT企業が、ブランド確保のため、データセンターで使う電力を将来100パーセント再生可能エネルギーにすると宣言している。再生可能エネルギーの不安定さを物理的に、あるいは制度的に解決しようとする方向は世界的な潮流のようである。 

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