日本エネルギー会議

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スーパー台風の不安

史上最強のスーパー台風に襲われた台湾南部や中国福建省の映像はどんな映画の一場面より迫力がある。風速80メートルを超す風で一瞬にして屋根の鉄板が剥がれ、道路上に重いコンテナーが転がる。飛ばされた看板が弾丸のようにコンビニに飛び込んで店内を滅茶滅茶にする。電柱は軒並み倒れ、広範囲で停電が発生する。

私が気になったのは再生可能エネルギーのソーラーパネルや風力発電所がこのスーパー台風で大きく損傷するだろうということだ。日照や風況の良い九州や北海道ではメガソーラーや風力発電所が多いが、特に九州は台風の玄関口であり、北海道にも今年立て続けに台風が襲っている。


火力発電や原発、それにバイオマス発電も送電線や需要家が被害を受ければ発電がストップしてしまうが、発電設備そのものはメガソーラーや風力発電所ほどには脆弱ではない。鬼怒川の決壊による洪水では、太陽光発電設備が大きな損害を受けたが、スーパー台風が来ればメガソーラーなどに甚大な被害が出るのは間違いない。濡れ手に粟と業者が群がったメガソーラーが、スーパー台風の連続パンチであえなく壊滅となることも有り得る話だ。

各家庭のソーラーパネルも屋根に取り付ける方法や強度に対する基準を満たしていても、風速80メートルには耐えられそうもない。飛ばされればパネルが凶器となって家々の窓ガラスを突き破る可能性が高い。これらの取り付け基準の見直しも急がなければならない。

台風に伴う竜巻や落雷にもメガソーラーや風力発電所は弱い。ソーラーパネルに直接雷が落ちる直撃雷に加え、近くに落ちた雷で送電ケーブルなどに雷サージが侵入、機器に大きな電圧がかかり損傷する誘導雷もある。メガソーラーは地表からの高さは低いが面積は広く、周囲には高いものがないため直撃雷のリスクは小さくない。もっとも原発でも冬場を中心に雷には要注意だ。中央制御室の計器などに影響すれば瞬間的にアウトオブコントロールになりかねない。原子力規制委員会ではどのような議論がされているのだろうか。
電源の選択においては、コストだ、安全性だという議論が盛んになされたが、これから予想される異常気象に対しての堅牢性も、重要な検討課題と言えるのではないか。

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