日本エネルギー会議

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税の減免

福島第一原発の事故による避難が長引くにつれ、避難した住民が関心を寄せているのが税金の問題だ。税金には国税、地方税などがあるが、東日本大震災、避難を伴う原発事故のような災害時においては税の減免が講じられる。現在減免されているのは住民税、健康保険税、事業税、固定資産税(避難区域内にある不動産に対する)だ。そのほか避難先などに新たな住宅を建設する場合、取得税が減免されている。自動車の買い替えも取得税がかからず、平成25年度まで自動車税や軽自動車税も免除となった。東京電力からの賠償に対しても事業所得損害や就労不能損害以外は無税だ。

先日配布された富岡町の資料によれば、平成29年4月に避難指示解除の場合、平成29年度は所得割合に応じ住民税を減免。通常課税は翌年度から予定している。固定資産税(土地、建物)については、平成29年度は、全域で全額課税免除。解除の翌年から3年間は二分の一の減額課税。平成33年度より通常課税を予定。帰還困難区域では全額減免を継続する。

国民健康保険税について、国による減免制度が継続する場合、平成29年度は全額免除。平成30年度は上位所得層世帯(600万円超)について平成30年10月以降六ヶ月課税とし、それ以外は全面減免する。国による減免制度が終了する場合は、平成29年度より通常課税となっている。

避難からおもいがけず5年半という月日が流れたため、臨時の減免措置が常態化し、住民はこの状態を当然と捉えるようになっている。既に住民の多くは避難先に家を確保して暮らしているが、税金は以前住んでいた町村の扱いになっている。住民票を新たな家の所在地に移していない世帯は、帰還しないと決めていても健康保険税など税金の扱いが区域指定解除とリンクしているため課税がこれからどのようになるのか関心が強い。

区域解除は一年後には税の減免やさまざまな優遇措置にも影響するため、区域解除はなるべく遅いほうが有利だ。また、移住したとしても元の町村にある住む予定もない、売れるあてもない家や土地に課税されるのは抵抗がある。それに比べて広い田畑を環境省に廃棄物置き場として何年も貸している農家が、いままで固定資産税も払うことなく多額の賃借料を得ていることにも不公平感を持っている。

これらの実態は国の税収を財源とした巨額の金が福島第一原発の廃炉や除染に投じられているほどには、一般国民に知られていない。

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